ドン・サットン

ドナルド・ハワード・サットンの野球人生

ドナルド・ハワード・サットンは、1945年4月2日にアラバマ州バーバー郡クリオで生まれたプロ野球選手で、長年にわたってメジャーリーグで活躍した投手です。彼は1964年にロサンゼルス・ドジャースと契約し、1966年にメジャーリーグデビューを果たしました。当時のドジャースには、サンディ・コーファックスやドン・ドライスデールといった名投手が揃っていましたが、サットンもその一員として活躍しました。デビュー年の1966年には12勝を記録し、以降17年間連続して10勝以上を達成するという壮大な記録を残しました。

1980年にはヒューストン・アストロズと契約しましたが、在籍期間中に膝を骨折する重傷を負い、ポストシーズンには出場できませんでした。このような厳しい時期もありましたが、サットンの才覚は衰えることなく、1982年にはミルウォーキー・ブルワーズやオークランド・アスレチックスでもプレーを続けました。

彼は1986年に通算300勝を達成するなど、そのキャリアの中で数々の偉業を成し遂げました。サットンは通算で324勝を記録し、これは歴代14位という素晴らしい成績です。また、彼は756試合に先発し、5282.1イニングを投げ、3574奪三振という数字も残しました。特にシーズン200イニングを20回投げたのは、メジャーリーグ史上唯一の記録とされています。

ただし、サットンはサイ・ヤング賞には縁がなかったものの、1976年には21勝を挙げ、得票数の上位に名を連ねました。通算の324勝は、1920年以降の右腕投手の中では最多の成績であり、ドジャースでは550試合登板、533先発、3814イニング、233勝、2696奪三振という球団記録も保持しています。

サットンはワールドシリーズには1974年、1978年、1982年の3回出場しましたが、いずれもチームは敗退しました。それでもポストシーズン通算で6勝を挙げ、防御率3.68と堅実な成績を残しています。また、MLBオールスターゲームへの出場も4回あり、1977年にはMVPを受賞しました。その試合で、8イニングを投げて無失点という素晴らしいパフォーマンスを見せています。

引退後の活動

引退後は、1989年から2006年までアトランタ・ブレーブスのテレビ解説者を務め、その後2007年からはワシントン・ナショナルズでも活動しました。彼はラジオ解説者としても活動を続け、多くのファンに愛されました。1994年には殿堂入りの候補となり、1998年に81.6%の票を得て正式に殿堂入りしました。この際、彼の背番号20はドジャースによって永久欠番に指定されています。

また、2015年にはブレーブス球団の殿堂にも名を刻み、地元の英雄としての地位を確立しました。

彼の最後

サットンは2021年1月19日にがんのため自宅で亡くなりました。享年75歳。彼の野球界における功績や姿勢は、多くの選手やファンにとって、今も色あせることのない軌跡として語り継がれています。息子であるダロン・サットンもブロードキャスターとして活動し、彼の遺志を引き継いでいます。サットンの野球に捧げた人生は、今後も多くの人々に影響を与えることでしょう。

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