ドン・フェルダー

ドン・フェルダー：イーグルスの伝説的ギタリスト

ドン・フェルダー（Don Felder）は、1947年9月21日生まれのアメリカ合衆国出身のミュージシャンであり、シンガーソングライター、そしてギタリストとして知られています。特に、1970年代のウェストコースト・ロックを代表するバンド、イーグルスのメンバーとして、そして大ヒット曲「ホテル・カリフォルニア」の作曲者として、その名を知られています。

若き日の音楽との出会い

フロリダ州ゲインズビルで育ったフェルダーは、少年時代にスティーヴン・スティルスやバーニー・レドンといった、後に音楽界で名を成す仲間たちと出会い、共にバンド活動を始めました。経済的な理由から音楽レッスンを受けることが難しかった彼は、音楽学校で働きながら同僚から音楽を学びました。

1968年頃には、「フロウ」というバンドを結成し、ニューヨークに進出。ジャズ・レーベルからアルバムを発表しますが、商業的な成功には至りませんでした。その後、バーニー・レドンとの再会をきっかけにロサンゼルスへ移り、グレアム・ナッシュやデヴィッド・ブルーのツアー・バンドに参加しました。

イーグルスへの加入と成功

イーグルスがアルバム『オン・ザ・ボーダー』をレコーディング中、フェルダーはスライドギターの演奏を依頼され、その才能が認められてそのままバンドに加入することになりました。

彼は『呪われた夜』収録の「Visions」でリード・ボーカルを担当し、『ホテル・カリフォルニア』ではタイトル曲を作曲するなど、イーグルスの音楽に大きく貢献しました。しかし、1980年にバンドは解散。

バンド解散、そして再結成と解雇

解散後、フェルダーはソロ活動を開始しますが、1994年にイーグルスが再結成され、彼も参加しました。しかし、2000年にグレン・フライから「バンドに貢献していない」として解雇を言い渡されます。その背景には、音楽的な意見の相違だけでなく、フェルダーがバンド内の不平等な報酬分配に不満を持っていたことがありました。

法廷闘争と自伝

2001年、フェルダーは解雇の撤回と報酬分配の見直しを求めてグレン・フライとドン・ヘンリーを訴えます。2006年に示談が成立しましたが、彼はイーグルスに復帰することはありませんでした。

2010年には、自伝『ドン・フェルダー自伝 天国と地獄 イーグルスという人生』を発表。バンド内の人間関係の軋轢や、ドン・ヘンリーとグレン・フライの専横的な振る舞いを暴露し、大きな話題を呼びました。この自伝では、「ホテル・カリフォルニア」の作曲に関する詳細や、自身の音楽キャリア、家族との関係などが赤裸々に語られています。

ソロ活動と音楽的遺産

イーグルス脱退後も、フェルダーはソロアーティストとして活動を続け、『エアボーン』（1983年）、『ロード・トゥ・フォーエヴァー』（2012年）、『American Rock 'n' Roll』（2019年）といったアルバムを発表しています。また、映画のサウンドトラックにも参加するなど、幅広い音楽活動を展開しています。

ドン・フェルダーは、イーグルスの一員として、そしてソロアーティストとして、ロック音楽史に大きな足跡を残しました。彼のギタープレイと作曲の才能は、これからも多くの音楽ファンを魅了し続けるでしょう。

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