ド・リール子爵

ド・リール子爵

ド・リール子爵（Viscount De L'Isle）は、イギリスの貴族であり、連合王国貴族爵位です。この爵位は、1956年に第6代ド・リール＝ダドリー男爵ウィリアム・シドニーが叙爵されたことに始まります。

歴史

子爵家の始祖であるジョン・シェリー＝シドニー（John Shelley, 1771-1849）は、ゴアリング城のシェリー準男爵家の次男として生まれました。1818年には、（ケント州ペンズハースト・プレイスの）準男爵に叙せられています。また、ジョンは1793年に母方の姓である「シドニー（Sidney）」を家名に加えました。

ジョンの息子であるフィリップ・シドニー（1800-1851）は、トーリー党に所属する庶民院議員として活動し、寝室官長に任じられた1835年に、連合王国貴族としてケント州ペンズハーストのド・リール＝ダドリー男爵に叙せられました。彼以降の男爵家当主は、「シェリー（Shelley）」姓を用いず、主に「シドニー」を家名として名乗っています。爵位名は、初代準男爵の母方の先祖の苗字や従属爵位に由来し、再興の意味合いも込められています。

2代男爵フィリップ（1828–1898）は、義父の要望から「フォーリス（Foulis）」を家名に加えましたが、その後再び家名を「シドニー」に戻しました。彼の後は、長男フィリップ、次男アルジャーノン、三男ウィリアム、そしてその息子ウィリアムの順に爵位が継承されました。

6代男爵ウィリアム（1909–1991）は、保守党の政治家として、空軍大臣やオーストラリア総督を歴任しました。彼は1956年にケント州ペンズハーストのド・リール子爵に叙爵されました。初代子爵は1965年に遠縁のサー・シドニー・シェリーから、（サセックス州ゴアリング城の）準男爵を相続したため、この準男爵位も子爵位の従属爵位に加わりました。

2020年現在、その息子である2代子爵フィリップ（1945-）がド・リール子爵家の当主を務めています。

一族の邸宅とモットー

ド・リール子爵家の一族の邸宅は、ケント州タンブリッジにあるペンズハースト・プレイスです。かつては、ヨーク州に位置するイングルビー・マナーも邸宅としていました。

一族のモットーは、『運命の誘うところへ（Quo Fata Vocant）』です。

現当主の保有爵位

現当主である第2代ド・リール子爵フィリップ・シドニーは、以下の爵位を有しています。

第2代ケント州ペンズハーストのド・リール子爵 (1956年)
第7代ケント州ペンズハーストのド・リール＝ダドリー男爵 (1835年)
第10代サセックス州ゴアリング城の準男爵 (1806年)
第8代ケント州ペンズハースト・プレイスの準男爵 (1818年)

当主一覧

(ペンズハースト・プレイスの)準男爵（1818年）

初代準男爵サー・ジョン・シェリー＝シドニー (1771–1849)
第2代準男爵サー・フィリップ・シドニー (1800–1851) (1835年にド・リール＝ダドリー男爵叙爵)

ド・リール＝ダドリー男爵（1835年）

初代ド・リール＝ダドリー男爵フィリップ・シドニー (1800–1851)
第2代ド・リール＝ダドリー男爵フィリップ・シドニー (1828–1898)
第3代ド・リール＝ダドリー男爵フィリップ・シドニー (1853–1922)
第4代ド・リール＝ダドリー男爵アルジャーノン・シドニー (1854–1945)
第5代ド・リール＝ダドリー男爵ウィリアム・シドニー (1859–1945)
第6代ド・リール＝ダドリー男爵ウィリアム・シドニー (1909–1991) (1956年ド・リール子爵創設)

ド・リール子爵（1956年）

初代ド・リール子爵ウィリアム・シドニー (1909–1991)
第2代ド・リール子爵フィリップ・シドニー (1945 - )

法定推定相続人は、現当主の息子であるフィリップ・ウィリアム・エドマンド・シドニー(1985-)閣下です。

略系図

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脚注

註釈

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出典

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関連項目

レスター伯爵
ノーサンバーランド公爵
リール子爵
リール男爵
* シェリー準男爵

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