ナイトセレクション

ナイトセレクションの概要

ナイトセレクションは、1995年度から1996年度にかけてNHK総合テレビジョンで放送されていた深夜のアンコール番組です。この枠は、寄せられた視聴者の要望や、突発的な事象に迅速に対応するために設けられました。特に、仕事や学業で帰宅が遅くなるサラリーマンや学生に向けて、深夜でも楽しむことのできる番組を提供することが目的でした。

番組の始まりと最初の編成

1995年4月から始まったこの番組は、初年度の早朝5時から翌日の午前1時まで放送時間を延長し、特に午前0時の時間帯には過去に人気のあった番組を「アンコールアワー」として再放送しました。主にNHKスペシャル、ETV特集、海外ドキュメンタリーなどの教養番組がこの時間帯に放送され、視聴者からの支持を集めました。

拡大と新たな試み

1996年4月には、好評を受けて放送枠が大幅に拡大されました。午前0時には地上波で放送された番組を、0:55からのニュースを挟んで1時台には衛星放送の番組が編成されるようになりました。この年からは金曜日と土曜日の深夜にも、午前5時を基点とした24時間放送の試験が行われ、『週末特選』と題して特定のテーマに基づくアンコールアワーが展開されました。金曜日にはスポーツ番組が、土曜日にはドキュメンタリー番組が中心に放送され、フィラー番組の「映像散歩」を経て、翌朝の放送が開始される形式となりました。

完全24時間放送の実現

1997年4月には、念願の完全24時間放送が実現し、深夜アンコール放送はミッドナイトチャンネルとして刷新されました。この時期には依然として「ナイトセレクション」の形式が続いており、0時台にも週替わりで放送が行われました。しかし、2000年の編成変更により、完全にミッドナイトチャンネルへ統合され、この番組は歴史の中で重要な役割を担いました。

プログラムの歴史と先駆者たち

ナイトセレクションが始まる前にも、深夜放送に向けた取り組みが存在していました。1989年度には「ジャストポップアップ」、1990年度から1992年度には「燃えてトライアル」や「週刊・ヤング情報」といった番組が試験的に放送されました。これらの先駆者たちの試みは、ナイトセレクションの礎となりました。

また、1989年度以前に放送された「ミッドナイトジャーナル」も、当初は日を跨ぐ形式が検討されたものの、予算の都合などで実現しませんでした。こうした背景を考慮すると、ナイトセレクションは正式には初の日またぎ編成ではありませんが、その後の深夜番組への影響は大きいものでした。

まとめ

ナイトセレクションは、視聴者のニーズに応じた多様な番組編成を実現し、深夜放送の新たなスタイルを確立した番組です。視聴者を意識した編成だけでなく、深夜帯の多くの番組の先駆けともなり、その後の研究や放送戦略に影響を与えました。

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