ジャストポップアップ

『ジャストポップアップ』について

『ジャストポップアップ』は、1988年4月9日から1991年3月2日まで、NHK総合テレビで放送された音楽番組です。若い世代をターゲットにしたこの番組は、初代MCとして松岡英明を迎え、ステレオ音声での放送をスタートしました。これは、NHKの過去の若者向け音楽番組の後継として位置づけられ、特に当時の若者の音楽嗜好に合わせて内容が大きく変更されました。

放送の変遷

番組は、当初は日曜の18時枠にありましたが、1988年の第1回放送以降、土曜日の夕方に移動しました。この変更は、NHKが新たな番組編成を試みたものであり、音楽番組の放送スタイルに新風を吹き込みました。1980年代半ばから、国内ではバンドブームが盛んであったため、番組はアイドル中心の構成から、日本のロックやポップスを中心にしたものへとシフトしました。この変化は、若者たちの音楽的関心に合わせたものであり、スタジオライブやアーティストとのトークを主な内容としました。

番組の放送時間も変動しました。1989年4月には、土曜日の夕方から金曜日の深夜へと移動し、これはNHKの定時番組として初めての試みでした。この時間変更に伴い、1989年度のMCには爆風スランプが担当することになりました。1990年4月からは、野沢直子と田中美奈子がMCを務め、番組は新たな色合いを加えました。

1991年3月2日、番組はその歴史を閉じましたが、その後も再放送や選集として2014年からMUSIC ON! TVや歌謡ポップスチャンネルで取り上げられていました。

MCとスタッフ

番組を支えたMC陣は、松岡英明や爆風スランプ、さらに野沢直子と田中美奈子と、時代ごとの若者に人気のある人物たちが務めました。また、制作陣も多彩で、アニメーション担当の安斎肇や音楽担当の渡辺蕗子などが参加し、番組を視覚的にも音楽的にも魅力的に演出しました。エンドテーマは、PSY・Sによる楽曲が使用され、それぞれの年度に応じたテーマで視聴者を楽しませました。

放送の影響

『ジャストポップアップ』は、日本音楽界において重要な役割を果たしました。バンドブームの中、多くのアーティストがこの番組を通じて認知度を高め、若者たちとの架け橋となったのです。特に、スタジオでの生演奏やアーティストとの貴重なトークは、視聴者にとって忘れがたい体験でした。放送が終わった後も、多くのファンに愛され、再放送を通じてその記憶は色あせることなく受け継がれています。音楽番組としての新たな形を提示した『ジャストポップアップ』は、日本の音楽文化において、特筆すべき存在でした。

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