ナイト・オン・ザ・タウン

ロッド・スチュワートの7作目のスタジオ・アルバム『ナイト・オン・ザ・タウン』は、1976年にリリースされ、彼の音楽キャリアにおいて重要な位置を占める作品です。

前作『アトランティック・クロッシング』と同様に、本作でも多くのアメリカ人スタジオ・ミュージシャンが参加し、国際色豊かなサウンドが展開されています。しかし、アルバム完成前の1975年10月には、前作に参加したドラマー、アル・ジャクソン（ブッカー・T&ザ・MG's）が射殺されるという悲しい事件が発生。スチュワートは本作のクレジットに、ジャクソンへの追悼文を掲載し、彼への敬意と哀悼の意を示しました。

アルバムからは、「今夜きめよう (Tonight's the Night (Gonna Be Alright))」が1976年にシングルとしてリリースされ、全英5位、全米1位という大ヒットを記録しました。また、「キリング・オブ・ジョージー (The Killing of Georgie (Part I and II))」も全英2位を獲得し、アルバムの人気を不動のものとしました。「さびしき丘 (The First Cut Is the Deepest)」は、イギリスでは「もう話したくない」との両A面シングルとして1977年に全英1位に輝き、アメリカでも21位に達するなど、世界中で愛される楽曲となりました。

アルバムの収録曲は以下の通りです。

Side 1
1. 今夜きめよう - Tonight's the Night (Gonna Be Alright)
2. さびしき丘 - The First Cut Is the Deepest
3. 君に首ったけ - Fool for You
4. キリング・オブ・ジョージー - The Killing of Georgie (Part I and II)

Side 2
1. ボールトラップ - The Balltrap
2. プリティ・フラミンゴ - Pretty Flamingo
3. ビッグ・バイユー - Big Bayou
4. 人生の荒波 - The Wild Side of Life
5. 貿易風 - Trade Winds

本作には、スティーヴ・クロッパー、ビリー・ピーク、ジョー・ウォルシュなど、豪華なギタリスト陣が参加している他、ドナルド・ダック・ダン、ボブ・グラウブといった名ベーシスト、ロジャー・ホーキンス、リック・シュロッサー、アンディ・ニューマークといった名ドラマーたちが参加しています。キーボードにはジョン・ジャーヴィス、デイヴィッド・フォスター、バリー・ベケットらが名を連ね、ストリングス・アレンジはジミー・ホロヴィッツ、メル・ルイス、アリフ・マーディンが担当。タワー・オブ・パワー・ホーン・セクションも参加し、アルバムに彩りを添えています。

『ナイト・オン・ザ・タウン』は、ロッド・スチュワートの音楽的な才能と、彼を取り巻く一流ミュージシャンたちの技術が融合した、まさに音楽史に残る名盤と言えるでしょう。

もう一度検索