ナカデ

ナカデ（中手）とは

囲碁におけるナカデ（中手）とは、相手の石を効率的に取るための重要なテクニックの一つです。具体的には、相手の陣地内、特に抜き跡や数目の地の中に石を打ち込むことで、相手の石が二つの眼を形成するのを防ぎ、結果としてその石を死に至らしめる手を指します。この手法は、敵陣の中心付近に打ち込むことが多いため、この名前がつけられました。

ナカデには、その対象となる石の数によっていくつかの種類があります。代表的なものとしては、三目ナカデ、四目ナカデ、五目ナカデ、六目ナカデがあります。これらの名称は、それぞれが対象とする敵の地の目の数を示しています。例えば、三目ナカデは3目の地を、六目ナカデは6目の地を対象とします。

各ナカデの形状と特徴

三目ナカデ

三目の敵陣に石を打ち込むことで、相手の石を殺す形です。




[三目ナカデの図]



上記の図で、白1と打つと、黒は二眼を作ることができず、結果として死に石となります。

四目ナカデ

四目の敵陣に対して行うナカデです。




[四目ナカデの図]



右上の図では、白1と打つことで、黒は二眼を形成できず死にます。これが四目ナカデの典型的な形です。ただし、左上の図のように、白が手を加えなくても黒が既に死んでいるケースもあります。一方、左辺のL字型、左下の直線型（直四）、右下の鍵型の場合は、白から打っても黒を殺すことはできません。これらの形では、黒が生きるための見合いの手が存在します。

五目ナカデ（花五）

五目の敵陣に対して行うナカデで、特にその形が花のように見えることから「花五」や「花五目」とも呼ばれます。




[五目ナカデの図]



上図のように、白1と打つと、黒は二眼を作ることができずに死にます。五目の地が、欠陥がない場合はそのまま生きることが多いです。

六目ナカデ（花六）

六目の敵陣に対して行うナカデで、こちらも形が花のように見えるため「花六」や「花六目」と称されます。




[六目ナカデの図]



白1と打つことで、黒は二眼を形成できず死に至ります。六目ナカデは、特にその形状から「花六」と呼ばれることがあります。

ナカデの応用と注意点

ナカデは、囲碁の対局において、石の生死を決定づける重要な要素です。特に終盤では、わずかな隙を突いて相手の石を仕留めることができるため、勝敗を左右することもあります。しかし、相手が事前にナカデの形を読んでいれば、無効化されることもあります。そのため、ナカデを狙う際は、相手の石の配置や状況を正確に把握し、慎重に手を打つ必要があります。

七目以上のナカデは存在しませんが、抜き跡を囲む石に欠陥がある場合、二眼を作ることができず、結果として石が死んでしまうケースもあります。このような状況も考慮に入れる必要があります。

関連項目

* 死活：囲碁における石の生死に関する重要な概念です。ナカデは、死活を判断する上で欠かせない知識の一つです。

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