ナゴムレコード

ナゴムレコード

ナゴムレコードは、1983年に設立された日本のインディーズレーベルであり、通称ナゴムとして知られています。主宰者はケラ（現・ケラリーノ・サンドロヴィッチ）で、彼が自らの音楽キャリアの基盤を築いた重要な活動の一つです。ナゴムは、特に1980年代後半に、インディーズアーティストを扱う大手レーベルの一つとして知られ、多くのクリエイターやミュージシャンを世に送り出しました。彼らは後にサブカルチャーのアイコンともなり、さまざまなジャンルを横断して独自の存在感を放っていきます。

設立の背景と初期の活動

ナゴムレコードが設立当初、在籍していたのは主宰者ケラのバンド「有頂天」と、加藤賢崇・岸野雄一が参加するバンド「東京タワーズ」だけでした。共同レーベルの意向があったものの、ケラの独自のスカウト活動により、徐々に多くのバンドがナゴムに加わっていきます。レーベル名「ナゴム」は岸野雄一と川勝正幸によって命名され、「和む」というコンセプトが込められています。このネーミングは、その後のアーティストたちの音楽活動にも影響を及ぼすこととなります。

独自のスタイルと影響

ナゴムレコードは、メジャーレコード会社や他のインディーズレーベルが公開をためらうような個性豊かなアーティストたちを積極的に取り上げ、音楽界に新たな風を吹き込みました。「はぐれもの」や「弱者」のための音楽として彼らの音楽が位置づけられ、さまざまなスタイルを持つバンドが在籍しました。それぞれのアーティストは、音楽性だけでなく、外見やパフォーマンスの面でもユニークな特徴を持ち、ナゴム独自の文化が形成されていったのです。

視覚アートとの結びつき

ナゴムのアートワークも特徴的で、多くのジャケットデザインは、漫画雑誌『ガロ』の漫画家たちによって手がけられました。アーティストのライブに訪れる観客もまた、派手なファッションを楽しむことで知られ、女性たちは「ナゴムギャル」、男性たちは「ナゴムキッズ」と呼ばれました。1990年代の影響力あるアーティストである篠原ともえの「シノラー」ファッションも、当時のナゴム文化の一部と見なされました。

再出発と今後の展望

ナゴムレコードは常に進化し続け、2013年にはケラ自身が新生ナゴムレコードの設立を発表しました。新たな支配者として鈴木慶一と共に活動し、彼らの共同プロジェクトである「No Lie-Sense」のアルバムがリリースされるなど、新しい試みが行われています。ナゴムは過去のアーティストだけでなく、新たな音楽の可能性を常に模索し続けるレーベルとして進化を続けているのです。

在籍アーティスト

ナゴムレコードの歴史には多くのアーティストが関わりました。代表的なアーティストには、ニュー・ウェイヴバンドの「有頂天」や、パンク・ロックの「死ね死ね団」、テクノの「電気グルーヴ」などが存在します。これらのバンドは、ナゴムの特色である個性とクリエイティビティの象徴であり、彼らの活動を通じて日本の音楽シーンに多大なる影響を与えました。

ナゴムレコードは、音楽の多様性を尊重し、常に新しい挑戦を続けるレーベル。このレーベルが見せる未来は、まだまだ未知数ですが、彼らの音楽に魅了されるファンは今後も増え続けることでしょう。

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