ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞 (1933年)

第5回ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞 (1933年)

1933年12月29日、第5回ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞の受賞作品が発表されました。本記事では、その栄えある受賞作品リストと、当時の映画界の状況を紐解いていきます。

作品賞およびトップ10

この年の作品賞は、フランスの喜劇『トパーズ』が受賞しました。他にノミネートされた作品は、時代劇、恋愛劇、コメディなど多様なジャンルに渡り、当時のハリウッド映画界の活況が伺えます。トップ10に選ばれた作品は、以下の一覧のとおりです。

1. 『トパーズ』(Topaze)
2. 『バークレー・スクエア』(Berkeley Square)
3. 『カヴァルケード（大帝国行進曲）』(Cavalcade)
4. 『若草物語』(Little Woman)
5. 『ママ・ラヴズ・パパ』(Mama Loves Papa)
6. 『ハーメルンの笛吹き』(The Pied Piper)
7. 『わたしは別よ』(She Done Him Wrong)
8. 『あめりか祭』(State Fair)
9. 『三角の月』(Three-Cornered Moon)
10. 『ブダペストの動物園』(Zoo in Budapest)

これらの作品は、それぞれ異なる魅力を持ち、観客を魅了しました。例えば、『カヴァルケード』は歴史的背景を盛り込んだ壮大なドラマであり、『若草物語』は世代を超えて愛される名作の映画化です。『わたしは別よ』は、当時の社会風俗を反映した作品として注目を集めました。

外国語映画賞

外国語映画賞は、ドイツ映画『ヘルタの覚醒』(Hertha's Erwachen)が受賞しました。他には、ソビエト連邦、フランス、イギリスなど、ヨーロッパ各国からの作品がノミネートされています。多様な文化圏の作品がノミネートされたことは、国際的な映画交流が進んでいたことを示唆しています。

受賞作品一覧は以下のとおりです。

1. 『ヘルタの覚醒』(Hertha's Erwachen) - ドイツ
2. 『イワン』(Ivan) - ソビエト連邦
3. 『M』(M – Eine Stadt sucht einen Mörder) - ドイツ
4. 『朝やけ』(Morgenrot) - ドイツ
5. 『にんじん』(Poil de carotte) - フランス
6. 『ヘンリー八世の私生活』(The Private Life of Henry VIII) - イギリス
7. 『クルトワ・ジュイエ』(Creating Quatorze Juillet) - フランス
8. 『ローマ特急』(Rome Express) - イギリス
9. 『詩人の血』(The Blood of a Poet) - フランス

これらの作品は、それぞれ異なるテーマや表現方法で観客を惹きつけました。『M』は、犯罪と社会問題を描いた社会派作品であり、『ヘンリー八世の私生活』は歴史上の人物を題材とした豪華な衣装劇でした。

まとめ

第5回ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞は、1933年の映画界を代表する作品たちが選出された、記憶に残る授賞式となりました。受賞作品リストからは、当時の映画界の多様性と、世界各国との映画交流の活発さを垣間見ることができます。これらの作品は、映画史における重要な位置を占めており、現代においても高い評価を受けています。

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