ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞 (2021年)

第93回ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞：2021年映画界を彩った才能たち

2021年12月2日、アメリカの映画批評団体であるナショナル・ボード・オブ・レビュー（NBR）は、2021年の映画を対象とした第93回ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞の受賞作品を発表しました。本賞は、批評家による厳正な審査を経て選出される権威ある賞として知られており、その年の映画界を代表する作品や才能が表彰されます。

主要部門の受賞結果

作品賞には、ポール・トーマス・アンダーソン監督による青春ラブストーリー『リコリス・ピザ』が輝きました。同作品は、1970年代初頭のカリフォルニアを舞台に、写真家志望の青年とハリウッド女優を目指す少女の恋物語を描いた作品です。批評家や観客から高い評価を受け、数々の賞を受賞しています。

監督賞は、『リコリス・ピザ』で鮮やかな演出を見せたポール・トーマス・アンダーソンが受賞。彼の類まれな才能と手腕が改めて評価されました。

主演男優賞は、伝記映画『ドリームプラン』でウィル・スミスが受賞。テニスの名選手、ヴィーナスとセリーナ・ウィリアムズ姉妹を支えた父親の役柄を見事に演じきりました。

主演女優賞は、リメイク版『ウエスト・サイド・ストーリー』でマリア役を演じたレイチェル・ゼグラーが受賞。彼女の類まれな歌声と演技力が称賛されています。

助演男優賞は、『ベルファスト』で印象的な演技を見せたキアラン・ハインズ、助演女優賞は『ドリームプラン』でウィル・スミス演じる父親を支えた母親を演じたアーンジャニュー・エリスがそれぞれ受賞しました。

オリジナル脚本賞は、イラン映画『英雄の証明』の脚本を手掛けたアスガル・ファルハーディーが受賞。脚色賞は、シェイクスピアの戯曲を現代的にアレンジした『マクベス』の脚本を手掛けたジョエル・コーエンが受賞しました。

アニメーション映画賞は、ディズニー作品『ミラベルと魔法だらけの家』が受賞しました。

その他の注目すべき受賞作品

外国語映画賞は、イラン映画『英雄の証明』(原題: قهرمان)が受賞。この作品は、現代社会における倫理観や人々の葛藤を鋭く描いた作品として高く評価されています。

ドキュメンタリー映画賞は、1969年のハーレムでの音楽フェスティバルを描いた『サマー・オブ・ソウル（あるいは、革命がテレビ放映されなかった時）』が受賞しました。

ブレイクスルー演技賞は、『リコリス・ピザ』で主演を務めたアラナ・ハイムとクーパー・ホフマンが受賞。新人ながら鮮烈な印象を残した彼らの演技は、高く評価されています。

新人監督賞は、『PIG/ピッグ』のマイケル・サルノスキが受賞しました。

アンサンブル演技賞は、『ザ・ハーダー・ゼイ・フォール: 報復の荒野』が受賞。

表現の自由賞は、『FLEE フリー』が受賞しました。

撮影功績賞は、『マクベス』の撮影を担当したブリュノ・デルボネルが受賞しました。

トップ10選出作品

作品賞、外国語映画賞、ドキュメンタリー映画賞、インディペンデント映画賞の各部門では、受賞作以外にもトップ10作品が選出されました。これらの作品も、2021年の映画界を代表する作品として注目されています。

第93回ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞は、2021年の映画界を彩った数々の優れた作品と才能を改めて認識させてくれる授賞式となりました。受賞した作品群は、映画ファンにとって必見の作品と言えるでしょう。

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