ナタリー・ナカセ

ナタリー・ミツエ・ナカセ

ナタリー・ミツエ・ナカセ（Natalie Mitsue Nakase、1980年4月18日 - ）は、アメリカ合衆国カリフォルニア州アナハイム出身の日系アメリカ人三世のプロバスケットボール選手、指導者です。現在はWNBAのラスベガス・エーシズでアシスタントコーチを務めています。

経歴

生い立ち

カリフォルニア州アナハイムで三姉妹の末っ子として生まれました。姉の影響でバスケットボールを始め、マリーナハイスクールに通いました。1998年にはチームはカリフォルニア州インタースコラスティック連盟(CIF)のサザンセクションで初優勝を果たし、ロサンゼルスタイムズとオレンジカウンティレジスターによって1998年のオレンジ郡年間最優秀選手に選ばれました。

カレッジ

NCAAの名門UCLAに入学する直前、高校の試合で大怪我を負いましたが、大学でそれを乗り越えてレギュラーの座を獲得し、主将も務めました。2002年にはキャリア最高の1試合平均7.9得点と5.1アシストを記録し、パシフィック10カンファレンスのオールカンファレンスプレーヤーに選出されました。

プロキャリア

卒業後は独立リーグのNWBLでプロとなり、リーグ初のアジア系アメリカ人選手となりました。NWBLはWNBAとはシーズンが逆の秋春制のリーグでした。2005年にサンノゼ・スパイダース、2006年にサンディエゴシージに加入しました。NWBLは2007年に解散したため、その後はドイツ1部のHerne TCで1シーズンプレーした後、現役を引退しました。

指導者

2008-09シーズン途中、同じドイツ1部リーグのヴォルフェンビュッテル・ワイルドキャッツのヘッドコーチとして指導者の道を歩み始めました。就任時、チームは2部降格の危機に瀕していましたが、1部残留に成功。翌2009-10シーズンも指揮を執った後、退任しました。

2010年には観光目的で来日した際、同郷の牧ダレン聡が所属していたbjリーグの東京アパッチや、NCAA同期のウィリアム・ナイトが所属していた浜松・東三河フェニックスの練習を見学したことがきっかけで、東京アパッチのアシスタントコーチに就任し、元NBAコーチのボブ・ヒルの下で対戦相手のスカウトレポートを作成しました。

2011年3月の東日本大震災でチームが活動を休止したため、翌2011-12シーズンより埼玉ブロンコスに移り、ヘッドコーチであるディーン・マーレイの下、アシスタントコーチに就任。しかし、11月20日にマーレイが契約違反によりチームから出場停止処分を受けたため、ヘッドコーチ代行として指揮を執りました。その後24日にマーレイは解任され、ナカセが後任のヘッドコーチに昇格。bjリーグ史上初の女性ヘッドコーチとなりました。2012年1月にさいたまスーパーアリーナで開催されたbjリーグオールスターゲームではイーストチームのヘッドコーチを務めました。埼玉はこのシーズン、16勝36敗、東地区最下位となる10位で終え、チームはナカセとの契約を更新せず、2012年契約満了のため退任しました。

退任後はNBAのヘッドコーチを目指すためアメリカに帰国し、ロサンゼルス・クリッパーズにビデオコーディネイターとして就職。2014年7月のサマーリーグではクリッパーズのアシスタントコーチを務め、NBAでベンチ入りした最初の女性コーチとなりました。

2017-18シーズン、ボブ・ヒルの息子であるケイシー・ヒルのもと、クリッパーズ傘下のNBAゲータレード・リーグチーム、アグアカリエンテ・クリッパーズでアシスタントコーチを務めました。

2018-19シーズンにはクリッパーズの選手育成アシスタントコーチに就任してNBAの本シーズンでベンチ入りした4人目の女性コーチとなり、その後3シーズンに渡りこれを務めました。

2021シーズンには再びアグア・カリエンテ・クリッパーズでアシスタントコーチに就任しました。

タイトル・受賞

2013年5月6日、アメリカ政府から、地域社会で主導的な役割を果たした「変革の闘士」として表彰されました。

外部リンク

ナタリー・ナカセ (@NatalieNakase) - X（旧Twitter）
ナタリー・ナカセ - Eurobasket.com (英語)
* ナタリー・ナカセ - College Basketball at Sports-Reference.com (英語)

もう一度検索