ナップ・ラジョイ

ナポレオン・ラジョイ: 野球界の巨星

ナポレオン・ラジョイ（Napoleon Lajoie、1874年9月5日 - 1959年2月7日）は、アメリカ合衆国のロードアイランド州ウーンソケット出身の著名なプロ野球選手で、主に二塁手や一塁手としてメジャーリーグベースボールで活躍しました。彼は右投右打の選手であり、1900年代から1910年代にかけての野球界のスター選手の一人です。特に、近代野球の始まりとされる1901年に初の三冠王となったことで知られています。

経歴

フランス系カナダ人の家系に生まれたラジョイは、卓越したプレースタイルで多くのファンや選手から高く評価されていました。彼の二塁守備は非常に堅実で、広範囲をカバーする能力を持っていました。1896年、ラジョイはフィラデルフィア・フィリーズに一塁手として入団し、3年目の1898年以降は二塁手としてチームで重要な役割を果たしました。

アメリカンリーグが設立された1901年、ラジョイはフィリーズからフィラデルフィア・アスレチックスに移籍しました。この移籍は、フィリーズがラジョイの年俸要求を拒否したことから始まります。アスレチックスのオーナー兼監督であるコニー・マックが4年で24,000ドルという破格の契約を提供し、ラジョイは新たな挑戦を求めてアメリカンリーグの新チームに仲間入りしました。

1901年のシーズンは、ラジョイにとって特に記憶に残る年となりました。彼は、打率.426、145得点、232安打、125打点、14本塁打と素晴らしい成績を収め、アメリカンリーグのトップに立ちました。これにより、ラジョイは近代野球初の三冠王となったのです。しかし、翌1902年には契約の無効が裁判所で決定され、再びフィリーズに戻ることになります。その後、クリーブランド・ブロンコスに移籍し、チーム名をクリーブランド・ナップスに変更しました。

クリーブランドでのラジョイは、特にタイ・カッブとの熾烈な首位打者争いで知られています。1910年のシーズン終盤、カッブが試合を欠場する中、ラジョイはダブルヘッダーで驚異的な成績を残し、カッブに迫りますが、最終的にはカッブが首位打者に選ばれました。しかし、その後1981年に行われた成績の見直しにより、その年のカッブの成績には誤りがあり、ラジョイが実質的に首位打者だったとも言われています。ただし、MLB公式記録ではカッブの成績が訂正されることはありませんでした。

選手としての特徴

ラジョイは、打撃と守備の両方で優れた才能を持っていました。特に打率3割以上を記録したシーズンは16回にのぼり、1917年にはマイナーリーグに降格しながらも再び首位打者に輝きました。この時、42歳という年齢にも関わらず、彼は打率.380を記録しました。

主なタイトルと記録

• - 首位打者: 5回（1901年、1902年、1903年、1904年、1910年）
• - 本塁打王: 1回（1901年）
• - 打点王: 2回（1901年、1904年）

また、1937年には野球殿堂に名を刻み、多くの記録を残しました。ラジョイは今なお、アメリカンリーグの伝説的存在であり、野球ファンの記憶に深く刻まれています。

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