ナツァギーン・バガバンディ

ナツァギーン・バガバンディ（モンゴル語: Нацагийн Багабанди、1950年4月22日 - ）は、モンゴルの政治家であり、第2代モンゴル国大統領として知られています。

生い立ちと初期の経歴

1950年、モンゴル人民共和国のザブハン県ヤルウで生まれました。遊牧民の家庭で育ち、その後ウォッカ工場の技師として働いた後、ソビエト連邦へ留学したことがきっかけで政界への道を歩み始めました。

政治家としての台頭

1990年にはモンゴル人民革命党の中央委員会書記に就任し、政治的な影響力を増していきます。1992年には国民大会議議員に当選し、議長にも選出されました。同年2月にはモンゴル人民革命党の党首に就任し、党を率いる立場となりました。

大統領選挙と政策

当時のモンゴルでは、モンゴル民主連合のエンフサイハン内閣が、政府機構の縮小、公務員の削減、公共料金の値上げ、国有企業の民営化といった、急進的な市場経済化政策を推し進めていました。しかし、これらの政策は通貨トゥグリクの下落、インフレの進行、失業者の増大といった問題を引き起こし、国民の不満が高まっていました。

1997年5月の大統領選挙において、バガバンディはモンゴル民主連合所属で現職のポンサルマーギーン・オチルバト候補に対抗し、大統領選に出馬しました。彼は、急激な改革ではなく、緩やかな市場経済化と弱者保護を訴え、国民の支持を集めました。選挙戦では初のテレビ討論も実現し、バガバンディの政策に対する考えが広く知られる機会となりました。

選挙戦では当初からバガバンディの優勢が伝えられていましたが、伝統統一党のゴンボジャブ候補を含む他の候補者を寄せ付けず、圧倒的な強さで勝利を収めました。

その他

バガバンディの長男は日本の北陸大学に留学経験があり、日本の大相撲力士である旭鷲山とは幼馴染であるというエピソードも知られています。

ナツァギーン・バガバンディは、激動の時代におけるモンゴルの政治を担い、国民の生活に寄り添う政策を掲げた政治家として、記憶されています。

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