モンゴル人民共和国

モンゴル人民共和国について

モンゴル人民共和国（モンゴルじんみんきょうわこく）は、1924年から1992年にかけて使用された国号であり、モンゴル語では「Бүгд Найрамдах Монгол Ард Улс」と表記されます。略称はBNMAUです。

歴史的背景

モンゴルは1921年にボドー、ダンザン、ドクソムらのリーダーシップの下、ダムディン・スフバートルの军事的な活躍を背景に、ソ連の赤軍の支援を受けて中華民国から独立しました。その後、1924年にボグド・ハーンの死を受けて、コミンテルンの指導のもと、モンゴル人民革命党が単独政党制をもとにした社会主義国を宣言し、モンゴル人民共和国が成立しました。この時、モンゴルは当時ソ連に次ぐ世界第2の社会主義国家であり、アジア初の社会主義国でした。当初、モンゴルの独立は中華民国や日本からは承認されず、ソ連の軍事力によってその地位が維持されました。

その後、モンゴルは一貫してソ連の影響下にあり、「ソ連の16番目の共和国」とされることもありました。また、この時代に「衛星国」という表現が用いられ、モンゴルはその象徴とされることもありました。外政の面では、1939年にはノモンハン事件で日本軍と接触し、第二次世界大戦の末期にはソ連と共に侵攻を行い、勝利しました。1945年には中ソ友好同盟条約が締結され、だからこそ中華民国からも独立を認められましたが、内モンゴルの併合は断念せざるを得ませんでした。

1953年には中華民国政府がモンゴルの独立を否定し、その後の国際的な認知にも影響を与えました。1949年には中華人民共和国との国交が樹立され、経済的な協力も進展しました。1961年には国連に加入し、その後、ソ連との関係の中で軍事的な安全保証を強化しました。

内政と経済

国内では、1930年代からユムジャーギィン・ツェデンバルらによる独裁体制が続きました。ソ連型の重工業の発展は実現しなかったものの、首都ウランバートルでは軽工業が発展し、人口集中が見られました。また、特に地方においては小麦の栽培や牧畜業の集団化が進みました。しかし、経済のほとんどはソ連への依存が続き、1962年には経済相互援助会議（コメコン）に加盟。今年もソ連の援助のもとにエルデネト鉱業が設立され、鉱業が経済の中心となりました。

文化面でもソ連化が進み、言語表記はロシア語と同じキリル文字に変更されました。教育システムにおいても、多くのエリート層がソ連で学びました。しかし、モンゴル帝国を築いたチンギス・ハンに対する評価は、ソ連時代には抑圧され、一切肯定的な見解が禁止されました。

変革の時代

1988年にはソ連のペレストロイカの影響を受け、モンゴルでも民主化運動が盛り上がります。1990年には人民革命党の一党独裁が崩壊し、複数政党制の導入と共に新体制に移行しました。その結果、「モンゴル国」に国名が改称され、社会主義体制が放棄されました。こうして、モンゴル人民共和国はその歴史的役割を終えることとなりました。

モンゴル人民共和国は、その短い歴史の中で社会主義体制に依存し続けたが、最終的には改革の波に乗り変革を遂げていくことになります。

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