ナナマル サンバツ

ナナマル サンバツ

『ナナマル サンバツ』は、杉基イクラによる日本の漫画であり、2010年から2020年まで『ヤングエース』で連載されていました。この作品は「競技クイズ」をテーマにしており、その名は早押しクイズの形式の一つ「7○3×」に由来しています。この物語は、クイズ初心者の視点から徐々に競技クイズの魅力を探る内容で、クイズ番組の要素が随所に散りばめられています。

背景と魅力

作品では、『全国高等学校クイズ選手権』（通称・高校生クイズ）など、身近なクイズの文化を入り口として、多くの人が普段何気なく楽しんでいるクイズの奥深さが描かれています。リアルなクイズ業界を描くために、長戸勇人などが所属するクイズ制作会社「セブンワンダーズ」が協力し、リアリティのある世界観を提供しています。

さらに、2011年にはゲーム『Answer×Answer Live!』とのコラボイベントが行われ、その体験レポートが後に漫画として掲載されました。また、2013年には児童書としてもノベライズが行われ、伊豆平成による小説版と杉基イクラの挿絵で新たな展開が生まれました。舞台となるさいたま市には、初の連覇を果たした浦和高校もあり、クイズの世界のモデルとして描かれていますが、他にも多くの高校が登場し、明確なモデルは不明です。

あらすじ

物語の主人公は越山識という新入生で、彼は新入生歓迎会で「クイズ研究会」に参加することになります。そこで、クラスメイトでありクイズ経験者の深見真理に圧倒される識。しかし、真理の動きを見ていくうちに「早押しクイズの問いには答えを確定できるポイントがある」ことを理解し、知識と推理によってクイズのコツを掴んでいきます。最初は戸惑っていた識ですが、徐々に自信を持つようになり、彼の成長が描かれていきます。

競技クイズにのめり込んでいく識は、大会で出会った御来屋千智の実力に刺激を受けながら、ついには0.1秒を争う激しい競技クイズの世界に足を踏み入れます。彼の冒険は、競技に挑戦することで新たな仲間やライバルたちと出会い、彼自身の成長を促すものとなっています。

主なキャラクター

• - 越山識: 本作の主人公であり、文蔵高校の1年生。クイズ研究会に所属し、知識量が豊富ながらも内向的な性格を持つ。特に文学や歴史に強く、クイズを通じて成長していく。
• - 深見真理: 本作のヒロインで、クイズ研究会に所属する明るい性格の少女。中学時代からクイズに親しんでおり、得意分野は語源問題。
• - 井上大将: 識のクラスメイトで、クイズ研究会に参加しているオタク系の少年。芸能やアニメ問題に強い。
• - 笹島学人: 文蔵高校の2年生でクイズ研究会の会長。独特な行動が目立つが、真摯にクイズに取り組んでいる。

このようなキャラクターたちの関係や成長が、物語をさらに魅力的なものにしています。クイズを通じた友情や競争が描かれる中、それぞれのキャラクターが持つ背景が徐々に明かされ、作品に深みを与えています。

メディア展開

本作は、後にアニメとしても制作され、2017年に日本テレビで放送されました。また、舞台化もされ、実際にクイズ対決が繰り広げられる斬新な内容が特徴です。これにより、多くのファンが作品に対する興味を持つきっかけになりました。また、アニメ内では高校生クイズのエッセンスが盛り込まれたエピソードもあり、リアルなクイズシーンを再現しています。

『ナナマル サンバツ』は、クイズというテーマを通じて、成長や競争の意味を描いた作品であり、読者に新たな楽しみを提供しています。

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