ナヒーモフ記章

ナヒーモフ記章について

ナヒーモフ記章（ロシア語: Медаль Нахимова）は、ソビエト連邦で授与された名誉記章であり、その名称はロシア皇帝時代の著名な海軍大将パーヴェル・ナヒーモフに由来しています。この記章は、海軍や国境軍の兵士が社会主義国家の防衛に勇敢に取り組んだことを称えるために、1944年3月3日に発布されたソビエト連邦最高会議幹部会命令によって設立されました。

制定の背景

ナヒーモフ記章は、祖国と海上の国境を守るために戦ったソ連海軍や国境軍の士官たちに授与されました。創設以来、記章は多くの兵士に贈られましたが、1991年のソビエト連邦崩壊によって授与は停止されました。その後、1992年には一時的に地位が回復されましたが、1994年にロシア大統領令によって正式に廃止されました。

受章の条件

ナヒーモフ記章が授与される際には、以下のような条件が求められました。受章対象となるのは、海上で任務に当たり、国境を防衛したソ連海軍や国境軍の下士官、軍曹、准士官、少尉です。具体的には、艦船や部隊の戦闘任務を成功に導いた者、国境防衛において示した勇気、または生命に対する危険が伴う中での軍功への献身が評価されました。

1944年の創設から1994年の廃止までの50年間に、ナヒーモフ記章は約13,000人から14,020人に授与されるという成果を残しました。

意匠

ナヒーモフ記章は、直径36mmの青銅製で、凸状の縁取りが施されています。表面には、パーヴェル・ナヒーモフの胸像が浮彫で描かれ、周囲にはビーズの装飾が施されています。また、上部には「АДМИРАЛ НАХИМОВ（ナヒーモフ提督）」の文字が、下部には五芒星と月桂樹の葉があしらわれています。裏面にも同様の凸状の縁取りがあり、真ん中には航海中の帆船が描かれています。その周囲には縄で作られた円があり、背後には交差する海軍用の錨が鎖で繋がれています。

記章は五角形の台座と繋がれており、台座には青地の絹製リボンが巻かれています。このリボンは、両端からそれぞれ5.5mmの位置に白い線が引かれており、デザインにも工夫が施されています。

まとめ

ナヒーモフ記章は、ソビエト連邦の歴史の中で重要な記章として位置付けられ、海軍及び国境軍の兵士たちの勇気や献身を称える象徴として広く知られています。そのデザインや意味合いは、彼らの誇り高い識別となり、国家防衛の重要性を今に伝えています。

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