五芒星

五芒星について

五芒星（ごぼうせい、英：pentagram）とは、5つの角を持つ星型多角形であり、世界中で多様な意味や象徴として使われてきました。この図形は、2本の交差する線分によって形成され、中心には五角形が現れます。五芒星は単に「星」と称されることもありますが、星章、五光星、五稜星などの名称で呼ばれることもあります。特に魔術や宗教的な象徴として知られており、守護の意味合いや、逆さまに描かれることによって悪魔的な象徴として使われることもあります。

幾何学的性質

五芒星は星型正多角形の一つで、対称性をもつ正5/2角形に分類されます。これらの特性により、五芒星は一筆書きで描くことができるという面白い特性があります。また、この形状は黄金比を多く含んでおり、芸術的にも美しいとされています。黄金比は特定の比率で物の魅力を引き出すため、古代から多くの芸術家や数学者に注目されてきました。

歴史的用法

五芒星の最古の記録は、約3000年前のメソポタミアに遡ります。シュメール人はこの形を「UB」と呼び、さらに下向きの五芒星は「角」や「小さな空間」などを象徴する絵文字として使われました。エジプトでは、この図形が子宮を表すとも言われ、性に関する意味合いがあるとされています。また、バビロニアでは五芒星が5つの惑星（木星、水星、火星、土星、金星）に結びつけられており、その考え方は後のヨーロッパにも伝わりました。

陰陽道における五芒星

日本の陰陽道では、五芒星は魔除けの呪符として重要視されています。陰陽五行説に基づき、五つの元素が持つ相関関係を象徴化しています。特に、平安時代の陰陽師、安倍晴明が用いた「晴明桔梗」は有名で、彼の家紋としても知られています。晴明の桔梗紋は、現在でも晴明神社の神紋として確認できます。

現代における五芒星の使用

近代においても五芒星は愛用されており、特にフリーメイソンのエンブレムやデザインなどで見られます。デザインの分野では、長崎市の市章やエチオピア、モロッコの国旗など多岐にわたります。実際、国際連合に加盟する国の中で、約4分の1が五芒星あるいは星形を国旗に使用しています。

結論

五芒星は、古代から現代にかけて多様な文化や信仰の中で重要な役割を果たしてきた図形です。その美しさと多様な意味を持つ五芒星は、今後もさまざまな分野で親しまれていくことでしょう。

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