ナフタリ

ナフタリについて

ナフタリ（ヘブライ語: נַפְתָּלִי‎, ラテン文字表記：Naphtali, Naftali）は、『旧約聖書』の創世記に登場する人物で、ヤコブの6番目の息子です。母はヤコブの妻ラケルの女奴隷ビルハであり、彼の名前にはヘブライ語で「わが戦い」という意味があります。

ナフタリは、ヤフツェルエル、グニ、エツェル、シレムという4人の息子をもうけ、彼らは後にイスラエルの十二氏族の一つであるナフタリ族の祖となりました。

ナフタリ族の歴史

ナフタリ族は、荒野での宿営時には、ダン族と共に軍隊の最後尾を守る役割を担いました。また、相続地が割り当てられる際にも、ダン族と共に最後となりました。

彼らの相続地は、アシェル族の東、ガリラヤ湖の西岸からヨルダン川までの地域に位置し、南はイッサカルとゼブルンに接していました。主な町としては、キネレテやケデシュなどが挙げられ、土地の大部分は山地でした。

ダビデがヘブロンで王として治めていた時代には、ナフタリ族から選ばれた1000人の束を持つ兵士と、大盾や槍で武装した37000人の兵士がいました。この事実は、彼らが戦闘能力の高い集団であったことを示しています。

しかし、アッシリアのティグラテ・ピレセル王が侵略した際に、ナフタリ族の町々は攻撃を受け、多くの住民が強制的に移住させられました。この出来事は、ナフタリ族の歴史における大きな転換点となりました。

ナフタリ族の文化と生活

ナフタリ族がどのような文化や生活を送っていたかについては、聖書に詳細な記述はありません。しかし、彼らが住んでいた地域がガリラヤ湖周辺の山地であったことから、農業や牧畜を営みながら生活していたと考えられます。また、彼らの高い戦闘力から、周辺の部族との戦いも多かったことが推測されます。

まとめ

ナフタリは、ヤコブの息子として生まれ、彼の子孫はイスラエルの十二氏族の一つ、ナフタリ族となりました。彼らは勇猛な戦士として知られましたが、アッシリアの侵略により苦難の道を歩むことになりました。ナフタリ族の歴史は、古代イスラエルの歴史を理解する上で重要な要素の一つです。

参考資料

* 『新聖書辞典』いのちのことば社、1985年

もう一度検索