ナホル

旧約聖書の『創世記』には、ナホルという名前の人物が2人登場します。初代ナホルは、セムの子孫であり、テラの父、アブラハムの祖父にあたる人物です。この初代ナホルは、主に系譜の中でその名前が記されており、具体的な事績はほとんど語られていません。『創世記』の記述によると、彼は29歳の時にテラをもうけ、その後も息子や娘をもうけ、148歳まで生きたとされています。彼の存在は、アブラハムへとつながる重要な家系図の一部として、その役割を担っています。

二代目ナホルは、初代ナホルの孫にあたり、テラの息子であり、アブラハムの兄弟です。彼は、兄弟のハランの娘であるミルカを妻とし、父テラがカナンへ旅立つ際に、カルデアに留まりました。二代目ナホルは、アブラハムとは異なる道を歩み、その子孫はアラム・ナハライムで暮らしていたとされています。この二代目ナホルから見ると、イサクの妻であるリベカは孫、ヤコブの妻であるレアとラケルは曾孫にあたります。

このように、聖書に登場するナホルという名前を持つ二人の人物は、それぞれ異なる役割と歴史を持っています。初代ナホルはアブラハムの先祖としての系譜上の重要な人物であり、二代目ナホルはアブラハムの兄弟として、その子孫たちが聖書の物語において重要な役割を果たす人物たちと深く関わっています。

聖書は、彼らの家系を通じて神の計画がどのように展開していくかを示す重要な記録です。ナホルの家系は、単なる系図の一部としてだけでなく、アブラハム、イサク、ヤコブへと繋がる重要な歴史的背景を提供するものとして理解することができます。

参考文献：
『聖書 [口語] 』日本聖書協会、1955年
『聖書 [新共同訳] 』日本聖書協会、1987年

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