ナポレオン (日本のトランプゲーム)

ナポレオン：日本独自のトリックテイキングゲーム

ナポレオン（Napoleon）は日本で独自に発展したトランプを用いたトリックテイキングゲームです。このゲームは元々イギリスのナポレオン（ナップ）に由来していますが、日本では独自に多くのローカルルールが加えられています。

基本的な遊び方

人数

ナポレオンは4人から6人でプレイ可能で、5人が最適とされています。この場合、プレイヤーは2チームに分かれ、一つはナポレオンと副官、もう一つは連合軍となります。

使用するカード

52枚のトランプを使用し、ゲームによってはジョーカーを加えた53枚でプレイすることがあります。ここではジョーカーなしのルールを説明します。

ゲームの目的

ナポレオン軍は、ナポレオンが宣言した枚数の絵札を取ることを目的とし、連合軍はそれを妨げることを目指します。絵札が1点とカウントされ、K、Q、Jの他にもAと10も絵札として扱われます。

ゲームの流れ

ナポレオンは主に5つのフェーズから成り立っています。
1. 配札：各プレイヤーにカードを配ります。
2. 競り：ナポレオンと切り札のスートを決定します。
3. 副官指名：ナポレオンの味方となる副官を決めます。
4. カード交換：ナポレオンが不要なカードを交換します。
5. プレイ：絵札の争奪戦を行います。

競りについて

競りでは、各プレイヤーが「自分がナポレオンになった場合、何枚の絵札を獲得するか」と宣言し合います。最初の宣言者はルールによってプレイヤーの位置が決まっており、その後は時計回りに宣言が続きます。パスすることも可能で、全員がパスをした場合はゲームが成立しません。競りの結果、最高の宣言をしたプレイヤーがナポレオンとなり、そのスートが切り札に決定されます。

副官の決定

競りが終わると、ナポレオンは任意のカードを指定して副官を決めます。指定されたカードを持っているプレイヤーが副官となり、ゲーム開始直後は誰が副官かは未定なのも戦略を深めます。

手札のプレイ

手札のプレイにおいては、特定の強さの順番に従って出すカードを選ぶ必要があります。リードカードを出したプレイヤーは次に他のプレイヤーが同じスートのカードを出す義務がありますが、ない場合は自由にカードを出せます。全員が一枚ずつ出し終えた時点で、最も強いカードを出したプレイヤーがそのトリックの勝者となり、もし画札があれば勝者がそれを獲得します。

勝敗の決定

全てのトリック（通常、5人の場合は10回）を終えた時点で、獲得した絵札の合計が宣言枚数を上回るか以下で、ナポレオン軍と連合軍の勝敗が決まります。

ルールの多様性

ナポレオンは特にローカルルールが多様で、プレイヤーごとに知識のあるルールが異なるため、ゲーム前にルールの確認が不可欠です。また、ジョーカーを使用する場合や交換枚数に関するローカルルールの影響も大きいですのが、これによって戦略が複雑化し、プレイの楽しさを増します。

歴史

ナポレオンはイギリスのトランプゲーム「ナポレオン（ナップ）」の流れを汲むもので、1907年に「世界遊戯法大全」で紹介されました。現在においても、独自のローカルルールが加わりながら多くの人々に親しまれています。

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