ナポレオン文庫

ナポレオン文庫とは

ナポレオン文庫は、かつてフランス書院から発売されていた成人向け漫画誌『COMICパピポ』とフランス書院コミック文庫を母体として、1993年頃から1990年代末頃まで刊行されていた文庫レーベルです。ジュブナイルポルノというジャンルの黎明期を支え、そのフォーマットを確立した草分け的な存在として知られています。

本稿では、ナポレオン文庫の後続レーベルであるナポレオンXXノベルスについても解説します。

概要

1993年11月に創刊されたナポレオン文庫の創刊ラインナップは以下の通りです。

影魔王ザナック(小説 龍門主樹/挿絵 まいなぁぼぉい)
熱砂の惑星 女公安官ケイト(小説 葉影立直/挿絵 富士参號)
ゆんゆん☆パラダイス(小説 雑破業/挿絵 みむだ良雑)
魔の飛龍軍団 プリンセス・ロード(小説・挿絵 星野ぴあす/カバーイラスト・天王寺きつね)
俺はオンナだ!?(小説 山際遥/挿絵 美衣暁)
ロックン☆ビーナス(小説 北川あやめ/挿絵 雅亜公)

挿絵画家には『COMICパピポ』や編集を担当していたコミックハウスゆかりの漫画家が起用される一方、小説家にはフランス書院文庫の作家ではなく、新人や他社の作家が起用されました。

従来のフランス書院文庫には見られなかったSFやファンタジーといった題材を扱った作品が多く見られました。しかし、ジュブナイルポルノという新進的な形態の先駆けであった反面、ジャンルの創世記ならではの試行錯誤もあり、作家への無断修正や、ヒロインの年齢設定に対する保守的な考え方も存在しました。

2001年10月には、判型を新書サイズにしたナポレオンXXノベルスが創刊されました。

美少女文庫とは異なり、基本的にあとがきがあるのが通例でした。

外見上の特徴

ナポレオン文庫

表紙: 文庫サイズで、白を基調にヒロインと主要登場人物が描かれています。ヒロインの裸体は少なく、露出がある場合は帯で隠れる部分に配置される構図が多く見られます。折返しには簡単なあらすじが記載されています。
裏表紙: 多くの場合はヒロインの立ち絵が配置され、横に簡単なあらすじと惹句が入っています。
背表紙: 上端部に、各作品毎に表紙からトリミングしたイラスト(基本的にヒロイン)が入り、その下にタイトルが記載されています。折返しには作者の既刊本と同ジャンルの作品リストが入っています。
帯: 単色の下地に「ナポレオン文庫」のレーベル名が大きく配置され、上か下に惹句が入っています。文字は基本的に白で、他にもう一色使用されています。プレゼントがある場合は惹句がなく、折返しにプレゼントの要項が記載されています。背表紙側には「ナポレオン文庫」の文字、裏表紙側には同時発売の作品リストが入っています。

ナポレオンXXノベルス

表紙: 新書版に判型が変更され、メタリックカラーが基調となっています。色は作品によって異なります。表紙にはヒロインと主要登場人物が描かれています。判型が変わったため、帯で裸を隠す必要はなくなりました。折返しには本文のハイライトが抜き出されています。
裏表紙: 多くの場合はカラーの口絵イラストに使われたイラストが小さく切り出され、ワンポイントで配置されていますが、イラストレーターによっては描き下ろしもあります。横に簡単なあらすじと惹句が入っています。折返しには作者とイラストレーターのプロフィールが入っています。
背表紙: 上端部に、各作品毎に表紙からトリミングしたイラスト(基本的にヒロイン)が入り、その下にタイトルが記載されています。
帯: ナポレオン文庫とほぼ同様のデザインです。

脚注

注釈

関連項目

文庫レーベル一覧

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