ナムチェバザール (バンド)

ナムチェバザール：異色のエスノポップバンドの軌跡

1987年、大阪にて誕生したナムチェバザールは、アコースティックサウンドを基調としながらも、シタールやタブラといったインド古典楽器を大胆に取り入れた、他に類を見ないエスノポップバンドでした。ブルースを思わせるボーカル、リフ主体のギター演奏と、エキゾチックな楽器の組み合わせは、聴く者の耳を新鮮な驚きで満たしました。

さらに彼らのパフォーマンスは、独特のビジュアル性でも知られていました。メンバーは電飾付きのガスマスクを着用し、ステージ上はまるでスターウォーズの宇宙酒場の混沌としたライブハウスさながらの様相を呈していました。

バンドブーム真っ只中、ビジュアル系バンドやヘヴィメタル、パンクバンドなど、様々なジャンルのバンドと共演を重ねたナムチェバザール。その過激でインパクトのあるパフォーマンスは、ジャンルを超えて多くの観客を魅了し、一目置かれる存在となりました。

彼らの活躍は、TBS系の人気番組『三宅裕司のいかすバンド天国』（イカ天）への出演にも及びます。番組での演奏は、完全版ビデオとしてリリースされ、彼らの熱狂的なパフォーマンスを後世に伝える貴重な記録となっています。

音楽活動にとどまらず、ナムチェバザールは劇団惑星ピスタチオとの共演も果たし、その活動は演劇分野にも広がりました。彼らの才能は高く評価され、上岡演劇賞を受賞する栄誉にも輝いています。

メンバーとその後

ナムチェバザールのメンバーは、それぞれ音楽活動において独自の道を歩んでいます。

中塚芳生（Vo、Nam-Nam）： 1964年4月11日大阪府生まれ。ナムチェバザール解散後は、「もえかす」としての活動を経て、ソロアーティストとして活躍しています。
東郷秀介（G、ピースマン）： 1962年大阪府生まれ。2007年にソロ活動を再開し、精力的に音楽活動を続けています。
南須原正則（B、なっすん）： 1966年東京都生まれ。2006年8月からはD&Dに加入し、並行してソロ活動やユニットSun・Moon・Package（SMP）、D-wifeでのベーシストとしても活動しています。
別所誠洋（タブラ、まーくん）： 1966年大阪府生まれ。現在は天空オーケストラに所属しています。
中島薄童（シタール）： 1964年大阪府生まれ。ナムチェバザール以降の活動は明らかではありません。
伊丹秀明（G、Vo、hideboo）： 1965年大阪府生まれ。ソロ活動後、D&D、H2G、DzTGといったバンドを経て活動しています。
岡田佳代（K）： 1967年大阪府生まれ。ナムチェバザール以降の活動は明らかではありません。

ディスコグラフィー

彼らの音楽的足跡を語る上で欠かせないのが、彼らの作品群です。

サイバーサイコフォークダンス (1991/05/25): SOLTEX (SLMD-9201)
ナムチェバザール (1991/07/21): 日本クラウン (FWCR-16)

ビデオ

イカ天でのパフォーマンスは、完全版ビデオとして記録されています。

**イカ天[完全]完奏版 (IKA-9004)

結論

ナムチェバザールは、その独自のサウンドと個性的なパフォーマンスで、日本の音楽シーンに鮮やかな足跡を残しました。時代を超えて、彼らの音楽とパフォーマンスは、今もなお多くの音楽ファンを魅了し続けています。彼らの活動は、音楽の多様性と可能性を示す、貴重な遺産と言えるでしょう。

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