ナルトサワギク

ナルトサワギクについて

ナルトサワギク（学名：Senecio madagascariensis）は、キク科に属する植物で、主に温暖な気候を好み、一年中発生する特性があります。元々はマダガスカルが原産地ですが、現在では日本を含む多くの地域に帰化しています。日本では、徳島県や兵庫県、西日本のいくつかの都道府県で確認されています。

特徴

ナルトサワギクは一年生または多年草で、黄褐色の小さな頭状花を2cm程度咲かせます。種子には長い白い冠毛がついており、風によって遠くへ飛散する能力に優れています。この植物は、互生する成葉を持っており、葉の形状は大きく変化します。特に、長さ3～9cm、幅10～15mmの間で不規則な鋸歯を持っており、色は濃緑で、触感は厚く無毛です。茎は直立し、高さは30～70cmに達し、基部は紫色を帯び、繁茂する株を形成します。

分布状況

マダガスカルをはじめ、南部アフリカやオーストラリアの東海岸、さらにはハワイや南アメリカにも進出しており、特に日本では徳島県で1976年に発見されました。その後も確認地域が広がり、埋立地や造成地、住宅地などで見られます。花が美しいため、人為的に植えられることもありますが、帰化の経緯は埋立の緑化に使用された植物類に混入する形で日本に入ったと考えられています。

日本での侵入経緯

ナルトサワギクは、アメリカから輸入された緑化用植物の一部として日本に持ち込まれました。1976年に徳島県で初めて確認され、その外観が日本に自生するサワギクに類似していたため、名前が付けられました。その後、1996年には研究者によって学名が正式に確定されました。

特定外来生物指定

ナルトサワギクは、その強力な繁殖能力とアレロパシー作用を持つため、在来の植物に対して脅威となる可能性が指摘されています。特に、全草に含まれるセネシオニンという肝毒性を持つピロリジジンアルカロイドは、家畜の中毒死の原因となることが多く、オーストラリアなどでは報告されています。このため、2005年に特定外来生物に指定され、その危険性が広く認識されています。

結論

ナルトサワギクはその繁殖力の強さと毒性から、特定外来生物として扱われています。日本国内でもその生息域が確認されており、これに対する管理方法や生態系への影響についての研究が求められています。今後の監視と取り組みが重要です。

出典

• - 環境省
• - 農業・食品産業技術総合研究機構
• - 徳島県立博物館

関連項目

• - サワギク

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