ナンシーのスタニスラス広場、カリエール広場、アリアンス広場

ナンシーの3つの広場：スタニスラス広場、カリエール広場、アリアンス広場

フランス、ロレーヌ地方の都市ナンシーの中心部には、スタニスラス広場、カリエール広場、アリアンス広場の3つの美しい広場が存在します。18世紀に整備されたこれらの広場は、洗練された都市計画と建築様式の融合が見事に表現されており、2005年にはユネスコの世界遺産に登録されました。その歴史的・芸術的価値から、フランスのみならず世界中から観光客が訪れる人気の観光スポットとなっています。

スタニスラス広場

スタニスラス広場は、ロレーヌ公スタニスラス（フランス王ルイ15世の義父）が、ルイ15世を称えて1751年から1755年にかけて建設した広場です。当初は「国王広場」と呼ばれていました。106m×124mの広大な敷地には、市庁舎、凱旋門、ナンシー美術館などの重要な建造物が周囲に配置され、全体として調和のとれた景観を形成しています。

広場の設計は、建築家エマニュエル・エレによって行われました。特筆すべきは、広場を取り囲むように設置された6基のロココ様式の美しい鉄柵です。これは、金具師ジャン・ラムールによる金属細工の傑作であり、その精緻な装飾は訪れる人々の目を惹きつけます。広場の中央にはかつて国王の像が設置されていましたが、フランス革命期に破壊されました。その後、1831年にスタニスラス公の像が再建され、広場は現在の名称である「スタニスラス広場」に改称されました。

スタニスラス広場は、中世の旧市街と16～17世紀の新しい市街を繋ぐ重要な役割を果たしており、都市計画の中核をなす存在です。広場を取り囲む建物群の多くも、エレによる設計に基づいて建設されています。2004年から2005年には大規模な修復工事が行われ、2005年には広場の250周年記念祭が盛大に開催されました。

カリエール広場

カリエール広場は、スタニスラス広場に面した凱旋門の北側に位置する細長い広場です。北へ進むとロレーヌの官邸、隣接するロレーヌ公宮殿（現在はロレーヌ歴史博物館）へと続きます。18世紀に整備されましたが、その起源は16世紀まで遡り、当時は馬上槍試合などが行われていた競技場だったことから、その名が付きました。

アリアンス広場

アリアンス広場は、スタニスラス広場の東側に位置する、比較的小さな広場です。中央には噴水があり、静寂で落ち着いた雰囲気を醸し出しています。その名称は、ロレーヌ公家とフランス王家の同盟を記念して名付けられました。

ユネスコ世界遺産登録

スタニスラス広場、カリエール広場、アリアンス広場の3つの広場は、以下の基準を満たし、ユネスコの世界遺産に登録されました。

(1) 人類の創造的才能を表現する傑作
(4) 人類の歴史上重要な時代を例証する建築様式、建築物群、技術の集積または景観の優れた例

これらの広場は、18世紀フランスの都市計画の粋を集めた、まさに人類の創造的才能の結晶と言えるでしょう。その美しい景観と歴史的価値は、未来永劫にわたって人々を魅了し続けることでしょう。

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