ナンバリーン・エンフバヤル

ナンバリーン・エンフバヤル：モンゴルの政治家、元大統領

ナンバリーン・エンフバヤル（Nambaryn Enkhbayar、モンゴル語: Намбарын Энхбаяр、1958年6月1日 - ）は、モンゴル国の政治家であり、第3代モンゴル国大統領を務めた人物です。

生い立ちと初期のキャリア

1958年6月1日にウランバートルで、医師の息子として生まれました。ゴーリキー文芸大学を卒業後、外国文学翻訳家として活動し、数多くの文学作品をモンゴルに紹介しました。

政治家としてのキャリア

1992年に国民大会議（国会）議員に初当選し、政界入りを果たします。その後、文化相、首相、国会議長といった要職を歴任しました。

2005年の大統領選挙では、モンゴル人民革命党から出馬し、モンゴル民主党のエンフサイハン候補を破って当選しました。当時、モンゴルで高い人気を誇っていた朝青龍の支持を取り付け、モンゴル人民革命党の伝統的な支持基盤である地方の牧民に加え、都市部でも幅広く支持を得ました。

2000年から2004年にかけての首相時代には、ロシアから社会主義時代の債務の大部分（98パーセント）の棒引きを勝ち取ったほか、6年間閉鎖されていたウランバートル駐在の北朝鮮大使館を再開させました。

日本とアメリカとの関係を重視し、日本との交流拡大のために日本人渡航者の査証免除を外交課題としていました。2007年2月28日には、早稲田大学から名誉学位が贈呈されています。

2009年5月24日に行われた大統領選挙では再選を目指しましたが、民主党のツァヒアギーン・エルベグドルジに僅差で敗れました。

退任後

2009年10月20日、モンゴル政府汚職対策局は、エンフバヤルが日本の宗教団体から不正に寄付を受けたと疑い、捜査を開始したと発表しました。

2012年4月13日には国家反腐敗局によって汚職の罪で逮捕され、8月2日に裁判所から懲役4年の有罪判決を受けました。その後、2013年8月に健康上の理由により赦免されています。

日本との関係

エンフバヤルは、首相、大統領として日本との関係を重視し、交流拡大に尽力しました。特に、日本人渡航者の査証免除を外交課題として取り組んだことは、両国間の関係を深める上で重要な貢献となりました。早稲田大学から名誉学位が贈呈されたことは、日本との友好関係における彼の功績を象徴するものと言えるでしょう。

まとめ

ナンバリーン・エンフバヤルは、モンゴルの政治において重要な役割を果たした人物です。首相、大統領としての業績に加え、退任後の汚職事件など、その政治家人生は波瀾万丈でした。しかし、日本との関係を重視し、交流拡大に尽力したことは、特筆すべき点です。

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