ナースコール (1993年の映画)

映画『ナースコール』の概要

『ナースコール』は1993年に公開された日本の映画であり、主演を薬師丸ひろ子が務めています。監督は長崎俊一、脚本は信本敬子が手掛け、架空の中央医科大学付属病院を舞台に、整形外科病棟で繰り広げられる医療現場の人間模様を描いています。この映画は、看護師や医師たちの成長と苦悩、そして彼らの絆を描いた感動的な物語です。

あらすじ

物語の主人公は看護師の五十嵐梢（演：薬師丸ひろ子）。彼女は看護学校を卒業してから六年間の経験を積んでおり、病棟内では婦長や主任を支える中堅の看護師として勤務しています。しかし、仕事に対するマンネリを感じ始めている彼女にとって、日常が特別なものではなくなりつつありました。

一方、病棟には3年目の若手看護師、山崎夏美（演：松下由樹）がいます。彼女は仕事に対して意欲的であり、患者のケアに情熱を注いでいます。そんな中、プロサッカー選手を目指す大学生の柴田雄一（演：渡部篤郎）が骨折し入院してきます。担当の新人ドクター田口誠人（演：大鶴義丹）は、レントゲン写真から大きな問題を見落としかけますが、医局長の大岩教授（演：江守徹）の指摘によって、雄一の膝に腫瘍があることが判明します。この診断は、彼の人生を一変させる重大なものであり、母親と共に大きな衝撃に見舞われます。

医療チームは化学療法を始めるものの、雄一の心の中には多くの不安が渦巻いており、彼は看護師たちに自分の気持ちをぶつけていきます。看護師たちはその反応に困惑しながらも、五十嵐は山崎の心を開くことで、雄一を前向きに治療に取り組ませる手助けをします。しかし、この出来事によって山崎は自信を失い、退職を決意します。

この状況の中で、雄一は心の傷を抱え、さらなるトラブルを引き起こします。五十嵐もまた彼の行動に心を傷め、退職を考え始めるのです。そんな中、大岩教授が主催する元癌患者たちによるサッカーの試合が開催され、そこに雄一も参加します。この試合を通じて、彼らはそれぞれの思いを新たにし、向き合うことになります。

キャスト

本作のキャストには、五十嵐役の薬師丸ひろ子、山崎役の松下由樹、田口役の大鶴義丹、雄一役の渡部篤郎などが名を連ねています。また、病院のスタッフたちや患者役としても多彩な俳優陣が参加しています。

制作背景

本作は、入院中に看護師によるクリスマスのキャンドルサービスを見たプロデューサーが看護師を主人公にする企画を立て、二年間の看護師経験を持つ脚本家がシナリオを執筆しました。監督の長崎俊一は、看護師たちからのインタビューや実際の病院取材を通じて、看護師たちの日常に焦点を当てた、リアルな職業ドラマを目指しました。

実際の撮影では、条件に合う病院が見つからず、調布の大映スタジオで病院のセットを作成して撮影が行われました。看護師役の若手キャストたちは、看護技術の講習を受けることでリアリティのある演技を実現しています。1992年6月13日に撮影がスタートし、8月31日にクランクアップしました。

まとめ

『ナースコール』は、医療現場で働く人々の心の葛藤や成長を描いた物語であり、多くの人々に感動を与えています。看護師や医師たちの絆が、困難な状況を乗り越えていく様子に心を打たれることでしょう。

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