ナーベレジヌイェ・チェルヌイ市電

ナーベレジヌイェ・チェルヌイ市電

ナーベレジヌイェ・チェルヌイ市電は、ロシア連邦・タタールスタン共和国のナーベレジヌイェ・チェルヌイという都市に位置する路面電車です。この市電は1973年10月に開通し、以来地域の公共交通機関としての重要な役割を果たしています。2020年現在、この市電はエレクトロトランスポートによって運営されています。

史跡

この路面電車の起源は1970年代にさかのぼり、市内の公共交通として電化の計画が立てられました。最初はトロリーバスの導入が提案されましたが、需要の多さや都市の将来的な発展を考慮に入れた結果、路面電車が選ばれました。開通の前年である1972年12月30日には試運転が行われ、良好な結果が得られました。

ソビエト連邦の時代には、路面電車の路線が次々と延伸され、1990年時点では6系統が網羅される充実した路線網が整備されました。しかし、ソ連崩壊後の経済混乱や予算不足により、運営が厳しい状況に直面しました。2000年代に入り、運営体制の再構築が始まり、凍結されていた延伸計画が再開されました。新たな路線は2006年から2014年の間に次々に開通し、サービスの拡充が進められました。

運営体制

ナーベレジヌイェ・チェルヌイ市電は、2013年まではKAMAZという会社が運営していましたが、以降は市の完全子会社であるエレクトロトランスポートに運営が移管されました。これは、資金調達を円滑にし、今後の路線延伸や近代化を進めるための措置でした。

現状の運行

2019年5月1日以降、ナーベレジヌイェ・チェルヌイ市電では全12系統が設定され、地域の移動手段として重要な役割を担っています。乗車料金は1回の利用につき22ルーブルで、月額乗車券は1,200ルーブルの価格で販売されています。また、非接触式ICカードを利用することで運賃が20ルーブルに値下がりします。

車両

ナーベレジヌイェ・チェルヌイ市電で使用されている車両は、開通以来一貫してウスチ＝カタフスキー車両製造工場によって製造されたものです。2020年時点で、運行に使われる営業用車両が複数存在しており、また71-605車両を改造した事業用車両や除雪車も保有しています。

これらの路面電車は地域住民や観光客にとって、利便性の高い移動手段を提供するため欠かせない存在です。将来的にはさらなる路線の延伸や近代化が期待されます。

もう一度検索