ナーワル (潜水艦)

ナーワル (USS Narwhal, SS-167)

ナーワル (USS Narwhal, SS-167) はアメリカ海軍に属する潜水艦であり、ナーワル級潜水艦の一隻です。この艦は、北極海で見られるマイルカ科のイッカクから名付けられました。同じ名前を持つ艦としては、D級潜水艦の初艦（SS-17）に続き、2隻目のナーワルです。1945年以降、試験艦的な役割として3代目ナーワル（SSN-671）が任務を担うことになりました。この艦の設計当初の名称はV-5 (SC-1)でした。

艦歴の概要

V-5は1927年5月10日にメイン州キタリーのポーツマス海軍造船所で起工され、1929年12月17日に進水、その後1930年5月15日に艦長ジョン・H・ブラウン・ジュニア少佐の指揮のもと正式に就役しました。

開戦前と真珠湾攻撃

1930年8月、ナーワルは初めての航海を経て西インド諸島を巡航し、その後の数年間は西海岸やハワイ水域で訓練を続けました。1941年12月8日の真珠湾攻撃当日は、日本軍による空襲を受けた潜水艦の中の一隻であり、艦長ウィルキンズの指揮の下、直ちに戦争に巻き込まれることとなります。

第1、第2の哨戒 (1942年2月 - 6月)

1942年2月2日、ナーワルは初めての哨戒に出発し、東シナ海での任務に従事しました。2月28日には敵艦に対する雷撃を成功させ、続く3月には日本のタンカーを撃沈しました。5月28日の第2回目の哨戒では、ミッドウェー海戦に向けて艦隊をサポートしました。

第3の哨戒 (1942年7月 - 8月)

7月には日本近海での哨戒任務を遂行しました。数回にわたる敵艦への攻撃や砲撃を行い、戦果を上げる一方で、激しい反撃を受けつつも生還しました。8月26日には真珠湾に帰投。

第4、第5の哨戒 (1943年4月 - 8月)

1943年4月、ナーワルは再び出航し、アリューシャン列島方面で極秘任務を遂行しました。この哨戒では、前線の部隊をアッツ島に上陸させる任務が含まれていました。その後、千島列島方面でも作戦を展開しました。

第6、第7の哨戒 (1943年8月 - 11月)

ナーワルはマーシャル諸島近くでの哨戒を続け、続いてフィリピン方面へと任務を移します。この頃から、ナーワルは対日反攻勢力を支援する特別な任務も担うようになりました。

第8、第9の哨戒 (1943年11月 - 1944年1月)

第8回目の哨戒では、ミンダナオ島への物資の揚陸が行われ、さらに避難民の救出にも貢献しました。第9回目の哨戒もこの一環として、さまざまな物流支援に従事。

第10 - 15 の哨戒 (1944年2月 - 11月)

ナーワルは引き続きフィリピン方面で活動し、弾薬や食料の提供、避難民の輸送など多様な任務を果たしました。最終的に、1945年1月に退役し、4月には正式に除籍され、スクラップとして売却されました。

戦功

ナーワルはその戦績によって、15個の従軍星章を受章しました。現在、ナーワルの艦砲はコネチカット州グロトンにある海軍潜水艦基地で展示されています。

この艦はアメリカ海軍の潜水艦史において重要な役割を果たし、多くの作戦に従事した艦として記憶されています。

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