ニオイバンマツリ

ニオイバンマツリ（匂蕃茉莉、学名：Brunfelsia latifolia）は、ナス科ブルンフェルシア属に分類される常緑広葉樹の低木です。熱帯アメリカを原産とし、日本へは明治時代末期に観賞用として導入されました。「ブルンフェルシア」という名前でも広く知られています。

開花時期は初夏から夏にかけての7月から8月頃で、直径約4センチメートルの漏斗状の花を咲かせます。花弁は5枚に分かれており、開花初期には濃い紫色をしていますが、徐々に薄紫色へと変化し、最終的には白色へと変わります。このため、一つの木で二色の花が咲いているように見えるのが特徴です。また、その名の通り、開花時には強い芳香を放ちます。

葉は互生し、長さ5センチメートルから10センチメートルの広楕円形をしています。葉は革質で光沢があり、裏面には毛が生えています。

和名の「匂蕃茉莉」は、その香りの強さと、海外から来たジャスミンに似た花であることから名付けられました。ただし、ジャスミンはモクセイ科ソケイ属に属する植物であり、ニオイバンマツリとは異なる属に分類されます。

注意すべき点として、ニオイバンマツリの全草には神経毒性があり、特に未熟な果実や種子には中毒成分が多く含まれています。犬や猫などのペットが誤って摂取してしまうと、眼振、散瞳、嘔吐、ふらつきといった中毒症状を引き起こし、最悪の場合、死に至る危険性もあります。ペットを飼っている家庭では、特に注意が必要です。

参考文献

朝日新聞社『植物の世界 - 朝日百科』朝日新聞社、1997年。ISBN 4-02-380010-4
平野隆久監修、永岡書店編『樹木ガイドブック』永岡書店、1997年5月10日、94頁。ISBN 4-522-21557-6

外部リンク

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