ニキビダニ

ニキビダニについての詳細

ニキビダニ（学名：Demodex folliculorum）は、節足動物門に分類される微小な寄生虫で、主に哺乳類の皮膚に寄生しています。その中でも特に人間の顔面に見られ、皮脂腺や毛包に多く存在しています。ニキビダニの科は「ニキビダニ科」に属し、これはニキビダニ属の単一の属から構成されています。このダニは哺乳類全ての種に特異的に寄生するため、各種の哺乳類にはそれぞれ異なるニキビダニが関与していると考えられています。

寄生場所と特性

特に顔面では皮脂腺の発達が著しく、このため「顔ダニ」という通称で呼ばれることもあります。ニキビダニは皮脂腺および毛包内に寄生しており、体長は約290μm程度であり、通常は数個体が群れをなしています。一方、皮脂腺の内部には体長約200μmのコニキビダニ（D. brevis）が単独で寄生しています。これらのダニは毛包上皮細胞や皮脂腺の細胞を餌としており、基本的には無害ですが、繁殖が過剰になると皮膚にトラブルをもたらすことがあります。

増殖と皮膚の影響

ニキビダニの数が異常に増加する背後には、例えば副腎皮質ステロイド剤の外用や免疫不全に関連した病気が影響している可能性があります。このような状況では、皮膚にさまざまな皮疹を形成することもあります。動物の毛包内でも同様の症状が観察されていることから、他の哺乳類でもこのダニの影響が見られると言われています。

生活史と感染経路

ニキビダニは卵から幼虫、若虫を経て成虫へと成長します。この過程は数段階に分かれ、全体の寿命は約14日とされており、その詳細な生活史についてはまだ解明されていない部分も多いです。興味深いのは、健康な皮膚からも時折発見されることで、必ずしもニキビに寄生しているわけではありません。また、生まれたばかりの新生児は寄生していませんが、親からの接触によって感染することがあります。

科学的知見

かつてはニキビダニは肛門を持たないものと考えられていましたが、近年のゲノム解析により肛門の存在が確認されました。このように、科学の進展によってニキビダニについての理解も深まっています。

結論

ニキビダニは広範囲にわたる哺乳類と関わりがあり、その存在は特に人間の皮膚において大きな役割を果たしています。この微生物の研究は進行中であり、今後もその生態や影響についての新たな発見が期待されています。

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