ニキータ (テレビドラマ)

『ニキータ1997』：冷酷な世界で愛と葛藤を描く、カルト的人気ドラマ

『ニキータ1997』（原題：La Femme Nikita）は、1997年から2001年にかけてカナダで製作された、ペータ・ウィルソン主演のテレビドラマです。リュック・ベッソン監督によるフランス映画『ニキータ』を原案としていますが、物語は独自に展開し、多くのファンを魅了しました。日本では、テレビ東京系列やAXNで放送され、カルト的な人気を博しました。

原作映画・リメイク版との違い

物語の出発点は映画版と共通していますが、ドラマが進むにつれて、その様相は大きく変化していきます。映画では描かれなかった、ニキータとマイケルの微妙な恋愛感情や信頼関係、そして組織内での人間関係の駆け引きに多くの時間が割かれています。特に、ニキータやマイケル、マデリンといった主要人物の最終的な運命は、映画版とは大きく異なっています。ドラマ中盤以降は、ほぼ完全にオリジナルのストーリーが展開されると言えるでしょう。

ドラマの舞台も、映画のフランスから、北米英語圏やヨーロッパへと移ります。街の看板の言語やエキストラの人種などからも、フランス国内を意識した設定ではないことがわかります。ただし、セクション・ワンの本部がパリにあるという設定は、映画版と共通しています。

2010年には、アメリカ版のテレビドラマシリーズ『NIKITA / ニキータ|NIKITA _ ニキータ』がリメイクされましたが、内容だけでなく組織名などもカナダ版とは異なっています。例えば、アメリカ版の『NIKITA』では、カナダ版の「セクション・ワン」に相当する組織が「ディヴィジョン」となっています。しかし、マイケル役とバーコフ役の配役は、両バージョンで共通しています。

ストーリー

家出少女ニキータは、警察官殺害の現場を目撃したことから、無実の罪で逮捕され、長期の懲役刑を宣告されます。しかし、彼女は謎の組織「セクション・ワン」にスカウトされ、対テロ工作員としての訓練を受けることになります。

最初はセクションに反抗していたニキータですが、マイケルやオペレーション（長官）、マデリーンの指導の下、才能を開花させていきます。任務をこなすうちにセクションに慣れていくニキータでしたが、人を殺したり傷つけたりすることに疑問を感じ始めます。そして、セクションの非人道的なやり方や、マイケルの愛情に不信感を抱くようになります。

ニキータはセクションの存在を超えたオーバーサイトとの接触を試み、事態は急展開を迎えます。セクションからの脱走、オーバーサイトとの密約、そしてセクション内部での密偵活動を経て、ニキータはセクションの真の姿を知ることになります。

最終的に、ニキータはセクションを改革し、新たな「オペレーション」として組織を率いることになります。そして、彼女はいつかマイケルが戻ってくることを待ちながら、冷酷な世界で生き抜いていくのです。

主な登場人物

ニキータ（演：ペータ・ウィルソン）： 無実の罪でセクションにスカウトされた、元ホームレスの少女。工作員としての才能を発揮する一方、人間らしさを失わずに葛藤する。
マイケル（演：ロイ・デュプイ）： ニキータの指導官であり、恋人。感情を表に出さない冷徹な男だが、ニキータとの出会いによって変化していく。
オペレーション（長官）（演：ユージン・ロバート・グレイザー）： セクション・ワンの長官。冷酷な指令を出す。
マデリーン（演：アルバータ・ワトソン）： セクション・ワンの副官。心理分析に長け、冷酷な命令を下す。
* シーモア・バーコフ / ジェイソン・バーコフ（演：マシュー・ファーガソン）： セクション・ワンの天才技術者。ニキータに密かに恋心を抱いている。

カルト的人気の理由

『ニキータ1997』は、スタイリッシュなアクション、複雑な人間関係、そしてニキータの葛藤を通して、視聴者に深く考えさせるドラマです。その魅力的なストーリーと個性的なキャラクターは、多くのファンを魅了し、カルト的な人気を博しました。

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