ニコライ・カプースチン

ニコライ・ギルシェヴィチ・カプースチンの人物像

ニコライ・ギルシェヴィチ・カプースチン（1937年11月22日 - 2020年7月2日）は、ウクライナ出身の著名なロシアの作曲家兼ピアニストです。彼の作品は、ジャズとクラシック音楽を独特に融合させたもので、そのスタイルは多くの音楽家たちに強い影響を与えました。

生い立ちと音楽のはじまり

カプースチンはウクライナのホールリウカで生まれ、幼少期は母と姉、祖母と共にキルギスに疎開しました。彼の父は従軍しており、戦後に帰国しました。ニコライは7歳の頃からピアノを始め、ヴィニチェンコの指導を受けました。1949年にはモスクワに移り、モスクワ音楽院附属の音楽学校に通い始めます。音楽学校ではアヴレリアーン・ルッバーフに師事しながら、ジャズにも興味を持ち始めました。この時期に彼は即興演奏や作曲のアイディアを探求し、独自の音楽スタイルを築いていくことになります。

音楽キャリアの発展

1961年にモスクワ音楽院を卒業した後、彼は様々なオーケストラで演奏活動をし、1972年から1984年には国立映画交響楽団に在籍します。この間、多くの著名な演奏家たちと共演し、特に1980年には自作のピアノ協奏曲第2番を演奏しました。カプースチンは、1984年以降は作曲活動に専念し、多数の作品を世に送り出しました。彼の作品番号は161に達し、彼の音楽は次第に広まり、特にニコライ・ペトロフやスティーヴン・オズボーンなどのピアニストに取り上げられることで知られるようになります。

作風と音楽の特徴

カプースチンの音楽は、ジャズとクラシックを見事に融合させたことが最大の特徴です。彼は聴き手を意識した曲作りを志向し、演奏技術が高く求められる作品が多いことから、彼の音楽はコンサートに非常に適しています。自身も優れたピアニストであったため、彼のピアノ曲は特に高度なテクニックが要求されます。このような背景から、カプースチンの音楽には演奏者と聴衆の双方を魅了する力があります。

主な作品

カプースチンは多岐にわたるジャンルで作曲を行っており、管弦楽曲、室内楽曲、ピアノ曲などがあります。特に著名な作品には、以下があります：

• - 室内楽曲

- 11人の奏者のための協奏曲 作品90
- 弦楽四重奏曲第1番 作品88
- ピアノ三重奏曲第1番 作品136
- ヴァイオリンソナタ 作品70

• - ピアノ曲

- 8つの演奏会用練習曲
- 各種の練習曲や演奏会用の作品

彼の音楽は、今日でも多くのピアニストやオーケストラによって演奏され続けています。カプースチンは2004年に一度レコーディングからの引退を表明しましたが、2008年には再び音楽活動に戻り、新しいCDをリリースしました。彼の音楽出版物も数多く、さまざまな出版社から刊行されています。

最後の時

2020年、カプースチンは長い闘病を経て、モスクワで亡くなりました。世代を超えた多くの音楽愛好家に影響を与え続け、彼の音楽は今なお多くの人々に愛されています。

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