ニコラス・カッツェンバック

ニコラス・デベルヴィル・カッツェンバック

ニコラス・デベルヴィル・カッツェンバック（1922年1月17日 - 2012年5月9日）は、アメリカの著名な政治家および弁護士で、複数の重要な公職を歴任しました。そのキャリアには、司法次官補、司法副長官、司法長官、国務次官などが含まれ、特にケネディとジョンソン政権における業績が際立っています。

生い立ちと教育

カッツェンバックはフィラデルフィアで生まれ、フィリップス・エクセター・アカデミーを卒業した後、プリンストン大学に進学しました。1945年に文学士の学位を取得した後、イェール大学で法学の学士号を得るために学びました。その後、ローズ奨学生としてオックスフォード大学に留学し、幅広い知識を吸収しました。

政治キャリアの始まり

1950年から公職に就き、空軍長官の法律顧問として政府でのキャリアをスタートさせました。その後、民間に戻り、イェール大学やシカゴ大学で法の講師を務めるなど、学問の分野でも活躍しました。

ケネディ政権での役割

1961年にカッツェンバックはケネディ政権で司法次官補に任命されました。特に1962年のキューバ危機では、海上封鎖の法的な側面に大きく関与し、国際的な緊張を扱う重要な役割を果たしました。また、ピッグス湾事件の交渉にも参加し、カストロ政権に対抗するアメリカの姿勢を示しました。

さらに、南部大学における人種差別の撤廃に向けた活動でも知られています。特に1963年、アラバマ州知事ジョージ・ウォレスが黒人学生の入学を阻止した際には、彼らを大学に入学させるための大統領の意向を示す公文書を読み上げ、司法省としての立場を強調しました。

ジョンソン政権下での動き

ジョンソン政権では、ケネディ暗殺後、その真相解明に向けて重要な役割を果たしました。特に、オズワルドが暗殺の犯人であることを世間に納得させるための戦略的な書簡を作成しました。さらに、ウォレン委員会の設立にも関与し、政府が暗殺事件の真相を隠蔽しようとしていたことを明らかにします。

1964年には司法長官代行に就任し、同年正式にその地位を引き継ぎました。カッツェンバックはベトナム戦争のエスカレーション推進を支持しつつも、戦争の解決には交渉が必要であると主張しました。1966年には国務次官を務め、外交的手段による人質解放交渉を行いましたが、北朝鮮との強硬姿勢に苦しむことになります。

民間への転身とその後

1969年には民間企業のIBMに入社し、1986年まで同社に在籍。彼は身を置いた業界での重要な問題にも関与しました。また、2004年にはMCI会長に就任し、その後も影響力を発揮し続けました。

カッツェンバックは公職を通じてアメリカの法制度や外交政策の変化に寄与し、日本でも議論を呼ぶ存在でした。90歳で亡くなるまで、彼の業績は長く記憶されることとなります。

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