ニコラ・ヴルーゲルス

ニコラ・ヴルーゲルス（Nicolas Vleughels、1668年12月6日 - 1737年12月11日）は、フランスの画家であり、在ローマ・フランス・アカデミーの校長を務めた人物です。

生涯

パリで生まれたヴルーゲルスは、画家であった父フィリップ・ヴルーゲルス（Philippe Vleughels:1619-1694）の影響を受け、幼少期から芸術に触れて育ちました。父はアントウェルペン出身で、パリで活動するオランダ人芸術家の一人でした。ヴルーゲルスは、ピエール・ミニャール（Pierre Mignard:1612–1695）に師事し、絵画の基礎を学んだとされています。

画家としては、バロック絵画のスタイルで歴史画や神話を題材にした作品を数多く制作しました。その作風には、ルネサンス期のイタリア人画家パオロ・ヴェロネーゼからの影響が見られます。ヴルーゲルスの作品は、力強い構図と豊かな色彩が特徴であり、当時の美術界において高い評価を得ました。

ヴルーゲルスは、画家としての活動以外にも、在ローマ・フランス・アカデミーの校長として重要な役割を果たしました。このアカデミーは、ローマに留学する若い芸術家を育成するために設立された機関で、ヴルーゲルスは1724年から1737年までアカデミーに勤務し、1725年からは校長を務めました。

校長として、ヴルーゲルスはイタリア各地を旅し、芸術家たちが訪れるべき場所や作品を調査しました。そして、有望な画家たちに、実際にそれらの場所を訪れることを勧めるなど、後進の育成に力を尽くしました。ヴルーゲルスの指導を受けた学生には、エティエンヌ・ジョーラ（Etienne Jeaurat:1699-1789）やピエール・シュプレイラス（Pierre Subleyras）などがいます。彼らは後にフランスの美術界で重要な役割を果たすことになります。

ヴルーゲルスは、イタリアの画家ロザルバ・カッリエーラ（Rosalba Carriera:1673-1757）らと親交を深め、イタリアの画家であり建築家であるジョバンニ・パオロ・パンニーニとは義理の兄弟になりました。また、ローマに滞在するフランス大使とも良好な関係を築き、ローマの有力者たちからアカデミー運営のための資金援助を取り付けることにも成功しました。さらに、アカデミーの施設をマンチーニ宮殿（Palazzo Mancini）に拡張し、この宮殿は18世紀の間、アカデミーの施設として利用されました。

ヴルーゲルスの活動は、フランスとイタリアの芸術交流を促進し、後世の芸術家たちに大きな影響を与えました。

作品

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脚注

（脚注は提供されていません）

参考文献

Jill Berk Jiminez, Dictionary of Artists' Models, 2013, ISBN 978-1135959210, pag. 553: Vleughels
Perrin Stein, et al, Artists and Amateurs: Etching in 18th-century France, 2013, ISBN 978-1588394989, pag 104-106: Directorship of Nicolas Vleughels (1725-1737)

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