ニコン年代記

ニコン年代記について

『ニコン年代記』（ロシア語: Никоновская летопись）は、16世紀に編纂された重要なロシアの年代記です。この年代記の名称は、17世紀に年代記の写本を所有していたモスクワと全ルーシの総主教ニコンに由来します。

編纂の背景

年代記の編纂は、モスクワと全ルーシの府主教ダニールによって主導されました。ダニールは1492年頃に生まれ、1547年に没していますが、彼が編纂した版はおおよそ1539年から1542年にかけて作成されたと考えられています。

編纂の過程

ダニールが編纂した年代記は、その後『ヴォスクレセンスカヤ年代記』や『ツァーリの国の始まりの小年代記』によって補足され、内容が拡充されました。これらの補足によって、年代記はさらに詳細な情報を含むものとなり、歴史的価値を高めることとなりました。

記述内容

完成した『ニコン年代記』は、859年から1558年までの期間における様々な出来事を記述しています。この年代記には、政治的な事件、社会的な動向、文化的な変化など、多岐にわたる情報が含まれており、当時のロシア社会を理解するための貴重な資料となっています。

参考文献

Никоновская летопись // Большая российская энциклопедия : [в 35 т.] / гл. ред. Ю. С. Осипов. — М. : Большая российская энциклопедия, 2004—2017.
Словарь книжников и книжности Древней Руси. Вып. 2. Вторая половина XIV—XVI в. Ч. 2. Л—Я. Л., 1989. С. 49—50. (статья Б. М. Клосса).

『ニコン年代記』は、ロシアの歴史研究において重要な位置を占めており、研究者や歴史愛好家にとって欠かせない資料となっています。その詳細な記述と広範な時代をカバーする内容から、当時のロシアの社会、文化、政治を深く理解するための鍵となるでしょう。

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