ニジェールの大統領

ニジェールの大統領は、ニジェール共和国における国家元首です。しかし、ニジェールは軍事政権の時代が長く、大統領ではなく軍事政権のトップが国家元首となるケースも少なくありません。

選出方法と任期

大統領は国民の直接選挙によって選出されます。任期は5年であり、3選は禁止されています。

大統領の権限

1999年制定の現行憲法では、半大統領制が採用されており、行政権は大統領と首相によって分割されています。大統領は以下の権限を有します。

首相および閣僚の任免
国軍の最高指揮権
非常事態宣言の発令権

また、首相との協議の上で憲法裁判所および最高裁判所長官を任命することもできます。国際条約を批准する権限も有していますが、防衛協定や平和条約、国際機関と関係する協定が国内法の改定や財政上の義務を伴う場合は、司法判断に基づいて批准されます。

憲法改正の試みと現状

2009年には完全な大統領制への移行を目指す新憲法が採択されました。この憲法では大統領の権限が強化される予定でしたが、2010年の軍事クーデターによって状況は一変します。クーデター後に政権を掌握した軍事政権は、半大統領制を維持する憲法案を改めて採択し、2010年11月の国民投票で可決されました。

このように、ニジェールの大統領は、その権限や役割において、政治情勢の影響を大きく受けてきました。今後の政治状況の変化によって、大統領の地位や権限がどのように変化していくのか、注目されます。

関連事項

ニジェールの首相
* 2004年ニジェール大統領選挙

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