ニセミギワバエ科

ニセミギワバエ科（Canacidae）は、ハエ目（双翅目）に属する比較的小さな科であり、世界中に約307種が記録されています。和名としてイソバエ科とも呼ばれています。

特徴

ニセミギワバエ科の種は、その多くが海岸近くに生息していますが、内陸部の塩性地帯やアルカリ性の環境で見られるものもいます。また、ハワイにおいては草原や淡水域に生息する種も存在します。

体長は1.6mmから4.0mm程度で、小型から中型の種に分類されます。体表は通常、薄い黄色から褐色をしており、細かい毛で覆われているのが特徴です。

成虫の外見はミギワバエ科の種とよく似ていますが、翅の臀室や第一経脈の有無、前縁脈の切れ込み位置といった翅脈の差異によって識別することができます。具体的には、ミギワバエ科には臀室と第一経脈のどちらも存在しませんが、ニセミギワバエ科にはどちらも存在します。

分類

ニセミギワバエ科は、伝統的に6つの亜科に分類されてきました。その中でも、かつてはハマベホソバエ科（イソベバエ科、Tethinidae）として独立した科として扱われていたTethininae亜科の扱いは、分類学上の議論の的となっています。

2000年代以降の研究により、ハマベホソバエ科は側系統群である可能性が指摘されるようになりました。この結果を受け、ハマベホソバエ科を広義のニセミギワバエ科（Canacidae s.l.）に含めるという主張が提唱されています。

ニセミギワバエ科に属する分類群としては、6亜科27属307種が記録されています。しかし、ハマベホソバエ科を独立した科として扱う場合には、約16属180種がハマベホソバエ科に分類されることになります。

このように、ニセミギワバエ科の分類は、研究の進展とともに変化しており、今後のさらなる知見の集積が期待されます。

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