ニック・ユースト

ニック・ユースト（Nick Jooste）は、1997年7月7日にオーストラリアのパースで生まれたラグビーユニオン選手である。彼は主にスタンドオフ（SO）のポジションでプレーし、試合の流れを作り出す役割を担う。

身長190cm、体重94kgという立派な体格を持ち、若くから将来を嘱望される存在だった。その才能はオーストラリア国内で高く評価され、育成年代ではU20オーストラリア代表に選出されるなど、国際舞台での経験も積んでいる。

彼のプロキャリアは、オーストラリア国内の様々なレベルのチームでスタートした。パース・スピリットやキャンベラ・ヴァイキングズなどで経験を重ねた後、南半球最高峰のプロリーグであるスーパーラグビーの舞台へと進出した。スーパーラグビーでは、オーストラリアを代表する強豪チームであるブランビーズや、同じく歴史あるチームであるレッズでもプレーし、世界トップレベルの環境で自己を磨いた。

オーストラリアでのキャリアを積んだ後、2018年には日本のラグビーに新たな挑戦の場を求めた。当時のトップチャレンジリーグに所属していた釜石シーウェイブス（現在の名称は日本製鉄釜石シーウェイブス）へ加入。これにより、日本のラグビーファンにもその名を知られることとなった。日本での公式戦デビューは、2018年9月9日に行われたトップチャレンジリーグ1stステージの開幕戦、三菱重工相模原ダイナボアーズ戦だった。この試合に先発出場し、日本の地で本格的なプレーを開始した。

釜石シーウェイブスでのプレーを経て、2019年には再びオーストラリアへ戻り、スーパーラグビーのウェスタン・フォースに加入した。その後、2022年には同じくスーパーラグビーのレベルズでもプレーするなど、引き続きオーストラリアのプロリーグでそのスキルを発揮した。

そして2024年、ニック・ユーストは再び日本のラグビー界に戻ってきた。今度はトップイーストリーグAグループに所属する東京ガスラグビー部への加入が発表された。スーパーラグビーで培った高いレベルの経験と、かつて日本でプレーした経験を活かし、チームのゲームメイクにおいて重要な役割を担うことが期待されている。

ニック・ユーストのキャリアは、オーストラリアと日本という異なるラグビー文化圏を行き来しながら、様々なチームで自身の能力を高めてきた軌跡と言える。スタンドオフとして求められる正確なパス、的確な判断力、そして自身でもラインブレイクやキックでチャンスを作り出す能力は、東京ガスラグビー部にとって大きな武器となるだろう。今後も彼の活躍から目が離せない。

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