ニトロフラントイン

ニトロフラントインは、尿路感染症の治療に用いられる抗菌薬です。海外ではマクロビッドという商品名で広く知られています。本剤は、細菌の増殖を抑制することで感染症の症状を改善しますが、殺菌作用はありません。そのため、腎盂腎炎といったより重篤な尿路感染症には効果がないとされています。

投与経路は経口のみです。一般的な副作用としては、吐き気、食欲不振、下痢、頭痛などが挙げられます。これらの副作用は比較的軽度なものが多いですが、まれに、しびれや肺、肝臓への影響といったより重篤な副作用も報告されています。

ニトロフラントインの服用は、腎臓に何らかの問題を抱えている患者さんには禁忌です。腎機能が低下している場合、薬剤の排泄が遅れ、副作用のリスクが高まるためです。妊娠中の服用については、妊娠初期から中期までは比較的安全とされていますが、出産が間近に迫った時期は、胎児への影響を考慮して服用を避けるべきです。

ニトロフラントインは1953年に初めて市場に登場しました。現在では世界中で広く使用されており、その価格は地域や販売形態によって大きく異なります。開発途上国では、1回分の投与量が0.005米ドルから0.46米ドルと、非常に安価に提供されているケースもあります。一方、先進国では、10日分程度の処方で約60米ドルと、価格が高くなる傾向にあります。価格差には、製造コスト、流通経路、薬価制度などの様々な要因が影響していると考えられます。

ニトロフラントインを使用する際には、必ず医師の指示に従ってください。自己判断で服用したり、用法・用量を守らなかったりすると、効果が不十分であったり、副作用のリスクが高まったりする可能性があります。医師は、患者の病状や既往歴、服用中の他の薬剤などを考慮した上で、最適な治療法を判断します。

まとめ

ニトロフラントインは、尿路感染症の治療に有効な抗菌薬ですが、腎盂腎炎には効果がなく、腎機能障害のある患者や妊娠後期には使用できません。副作用の可能性も考慮し、医師の指示に従って服用することが重要です。価格には地域差があり、開発途上国では安価に入手できる一方、先進国では高価になる傾向があります。

もう一度検索