ニノなのに

2025年4月9日よりTBS系列で放送を開始した『ニノなのに』は、人気グループ嵐のメンバーである二宮和也の名を冠したバラエティ番組です。この番組の根幹をなすのは、「なのに」という言葉を鍵に、普段は想像もつかないような物事や人物の隠された、あるいは意外な側面に光を当てるというコンセプト。

番組最大の特徴は、MCを務めるはずの二宮和也自身が、その週のゲストによって司会の座を譲り、自身が「ゲスト扱い」となるという異例の進行形式にあります。これは、番組タイトルに含まれる「なのに」という言葉を体現するかのような演出であり、視聴者にとってはMCである二宮がどのような立場で番組に関わるのか、毎回新鮮な驚きを提供しています。この独特なスタイルは、レギュラー放送に先駆けて制作・放送された特番（パイロット版）の段階から継続されています。

番組の主な出演者としては、もちろんMCでありながらも「ゲスト扱い」となる二宮和也が中心となります。彼のリアクションや番組への関わり方が、この番組の大きな見どころの一つとなっています。

本番組の放送形態は、全編がローカルセールス枠で組まれており、JNN（ジャパン・ニュース・ネットワーク）のすべての系列局で一律に放送される全国ネット番組ではありません。制作局であるTBSテレビでは、1982年放送開始の『そこが知りたい』以来、平日夜に独自のローカル編成枠を設けており、『ニノなのに』はこの枠の一部を担っています。このTBSのローカル枠は、改編期ごとに曜日や時間帯、枠の長さが見直されており、2023年春には水曜19時からの2時間、2024年春には水曜19時からの3時間へと拡大されています。本番組は、こうした変遷を経て形成されたローカル枠の中で放送されています。

また、番組は前座番組である『世界くらべてみたら』や『それって実際どうなの会』と連続して放送されることが多く、放送回によっては開始時間が変動するなど変則的な編成となる場合があります。そのため、TBSテレビ以外のネット局では、各局の編成都合により、放送日時の変更（遅れネット）や、放送時間の短縮といった対応が取られることがあります。さらに、番組が19時から始まるスペシャル放送の際には、通常19時台に自局制作番組を放送している系列局では、20時からの短縮版がTBSテレビからの裏送りで放送されるケースも存在します。もし番組が22時台まで延長されるスペシャル放送の場合、21時58分まではローカルセールス枠の体裁となりますが、それ以降はネットワークセールス枠となるため、一部の系列局ではこのネットワークセールス枠のみに飛び乗る形で放送に参加することもあります。

番組制作を支えるスタッフは多岐にわたります。レギュラー版では、総合演出を立澤哲也氏が、ナレーターを真地勇志氏が担当。構成は松本建一氏、佐藤大地氏、須毛原淳氏らが手掛けます。技術面では、CAMの小野寺康敏氏、音声の長島大輔氏、TPの吉田崇氏、VEの松吉英明氏、LDの諸岡亮氏など多くのスタッフが関わっています。ロケ技術、編集、MA、音効、イラスト、CG、編成などもそれぞれの専門家が担当しています。美術面では、美術プロデューサーの半田裕記氏を中心に、美術デザイナーの大三島弘女氏、柳瀬夏海氏らが番組の世界観を作り上げています。リサーチ担当の井上集氏や鈴木良治氏も重要な役割を果たしています。プロデューサーは首藤光典氏、三田村奈緒子氏、安田友里氏、上田沙栄氏らが務め、極東電視台とTBSが共同で製作しています。これは、前座番組の一つであり、同じく極東電視台が製作する『巷のウワサ大検証!それって実際どうなの会』との関連性も示唆しています。

番組の公式サイトはTBSテレビ内に設けられており、X（旧Twitter）やTikTokにも公式アカウントが開設され、番組情報を発信しています。

『ニノなのに』は、二宮和也という人気タレントを冠に持ちながら、MCがゲスト扱いになるという逆転の発想と、「なのに」という身近な言葉を深掘りするテーマ設定により、他のバラエティ番組とは一線を画すユニークな魅力を放っています。ローカルセールス枠という特性上、視聴できる地域や時間帯が限られる場合もありますが、その独自の切り口で多くの視聴者の関心を集めています。

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