ニュウナイスズメ

ニュウナイスズメ（入内雀）

概要

ニュウナイスズメ（学名：Passer rutilans）は、スズメ科に属する小型の鳥で、主に林や森に生息することが特徴です。一般的なスズメとは異なり、主に民家から離れた自然豊かな場所で見られます。また、別名として「黄雀」とも呼ばれることがあります。

形態

この鳥は全長約14cmで、雄はスズメに似た外見ですが、頬に黒い斑点がない点が特徴です。全体的な体色はスズメよりも鮮やかな栗色が多く見られ、特に頭部や背中の色合いは美しいです。一方、雌は薄茶色をしており、目立つ太い黄土色の眉斑があります。これらの独特な色彩は、繁殖期の際に雄同士の活動やメスを引きつける重要な要素となっています。

分布

ニュウナイスズメは、その生息地域において広範な分布を持っています。北はロシア、東は日本、南はインド、西はアフガニスタンに至るまで、東アジアや東南アジア、さらには南アジアや中央アジアにまでその生息域が広がっています。日本国内では、主に北海道の平地や本州中部以北の山地で繁殖を行います。

生態

日本における繁殖期は5月から7月であり、繁殖後は関東地方以南の比較的温暖な地域で越冬します。繁殖期以外は、ニュウナイスズメは単独行動を好むものの、時にはスズメの群れに混じることもあります。また、台湾やヒマラヤの高地にある、スズメが存在しないような村では、ニュウナイスズメが人家に巣を作る姿も観察されています。

人間との関係

ニュウナイスズメの和名の由来には、いくつかの興味深い説があります。
1. スズメに見られる頬の黒斑がないことから「ほくろ」がない雀、すなわち「斑無雀」と名付けられた。
2. 新嘗雀（にいなめすずめ）が変化したという説があり、著名な民俗学者・柳田國男が提唱しています。
3. 平安時代に生きた藤原実方という貴族が、東北地方に左遷され、その後この種に転生したという伝説。彼が宮中で米を食い荒らしたという故事から、「入内雀」という名称が付けられたとされています。

いずれの説も、ニュウナイスズメが日本の伝統文化にどのような影響を及ぼしてきたかを表しています。特に、田に群れをなして押し寄せることで未熟なイネを食い荒らし、大害鳥としてのイメージが根付いた結果、鳥獣保護法によってスズメと共に狩猟鳥に指定されているという点は興味深いです。実際には見かけることが少ないこの鳥ですが、これらの背景を知ることで、より一層親しみを持つことができるでしょう。

関連項目

• - 日本の野鳥一覧
• - 藤原実方

外部リンク

• - 長崎県野鳥データ
• - 新潟で見られる野鳥

もう一度検索