ニューカッスル・ライトレール

ニューカッスル・ライトレールの概要

ニューカッスル・ライトレール（Newcastle Light Rail）は、オーストラリアのニューカッスル市を走る路面電車です。この路線は2019年に開通し、特筆すべきは全ての区間が架線なしで運行される非電化のライトレールである点です。運営はニューサウスウェールズ州交通局によって行われていますが、具体的な建設や保守は民間企業が担っています。

歴史的背景

ニューカッスル市は、1887年にスチームトラムが開通した経歴を持つ都市で、ここから現在の路面電車のルーツが始まります。1923年には電化も行われましたが、モータリゼーションの進展に伴い、1950年に路面電車サービスは廃止されました。その後、ニューカッスルが急速に成長する中で、交通インフラの再構築が求められました。特に、バス路線では地域間の接続性や輸送効率に課題があったため、ライトレールの導入が次第に検討されるようになりました。

プロジェクトが進められた結果、2016年に併用軌道の建設が承認され、翌年から工事が本格化。在来の道路を利用する形で進められ、また、公共交通のターミナル「ニューカッスル・インターチェンジ」も新設されました。工事は1年後の2018年に完了し、その後試運転を経て2019年に公式に営業運転を開始します。開業から3か月で利用者数は100万人を超え、公共交通の利用拡大に貢献しています。

運営と運行

ニューカッスル・ライトレールの路線や車両は、ニューサウスウェールズ州交通局が所有し、運営は民間のケオリス・ダウナーによる「ニューカッスル・トランスポート」ブランドで行われています。全長2.7キロメートルのこの路線は、ニューカッスル・インターチェンジを起点にして、海岸に位置するニューカッスル・ビーチ電停へと続きます。全ての電停がバリアフリーに対応している点も魅力です。

ライトレールの最大の特徴は、架線レスであること。この技術により景観への配慮がなされています。電車は、各電停で充電を行う専用の設備を備えており、運行は平日の日中は短い間隔で、夜間や休日はやや間引かれる形で行われています。

運賃と決済方法

利用者は、ニューサウスウェールズ州交通局が発行するオパールカードで運賃を支払います。乗車前にはカードリーダーでの検札が必要であり、無賃乗車には罰金が科せられます。運賃は大人の場合、片道2.24ドルと経済的です。現金での購入も可能ですが、割高になってしまいます。

今後の展望

将来的には、既存ルートの拡張が計画されています。特に、ジョン・ハンター病院方面への延伸が見込まれていますが、環境保護などの課題が堅実に進められるかどうかが焦点となっています。

ニューカッスル・ライトレールは、地域の公共交通機関として重要な役割を果たしながら、今後も成長が期待されるプロジェクトです。その導入により、ニューカッスル市の交通事情は大きく変わり、より多くの住民や訪問者に便利な移動手段を提供しています。

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