ニューデザインパラダイス

『ニューデザインパラダイス』は、2004年4月15日から2006年 9月22日までフジテレビ系列で放送された、アミューズとフジテレビが共同制作した情報バラエティ番組です。日産自動車が単独でスポンサーを務め、日常に存在する様々な物のデザインを再考し、新たな価値を見出すことをテーマとしていました。

番組概要

この番組は、アミューズが制作し、日産自動車が提供する知的情報番組シリーズの第3弾として位置づけられています。番組タイトルは、映画『ニュー・シネマ・パラダイス』のパロディであり、デザインへの情熱と創造性を象徴しています。放送時間は、当初は毎週木曜深夜でしたが、2005年4月からは毎週金曜深夜へと変更されました。

番組では、俳優の谷原章介が主宰するデザインラボラトリーが舞台となり、身の回りにある様々な物のデザインを、現代の視点と新たな発想でリデザインしていく過程が描かれました。実際にデザインを担当するのは、各分野で活躍する気鋭のクリエイターやデザイナーたちで、彼らがどのようにデザインを再構築するのか、その創造性に注目が集まりました。

デザインの再考にあたっては、対象となる物の歴史的背景や既存のデザイン、現在の使われ方などを徹底的に調査・検証し、それらを踏まえた上で新たなデザインが提案されました。この過程を通じて、デザインの奥深さや可能性が視聴者に伝えられました。

番組の成果

番組内でデザインされた婚姻届が、2005年10月3日に北海道東川町で実際に採用されるという快挙を成し遂げました。これは番組から生まれたデザインが実用化された初の事例であり、番組の社会的な影響力を示しました。また、番組自体も2005年度のグッドデザイン賞コミュニケーションデザイン部門を受賞し、その斬新な企画と高い質が評価されました。

フジテレビでの放送終了後、2006年12月14日からはBSフジでも放送され、より多くの視聴者に番組が届けられました。さらに、番組提供のアナウンスは、前2番組からの要素を引き継ぎ、シリーズとしての連続性を感じさせました。

番組冒頭では、「（その回のテーマ）のデザインだけをテーマに30分のテレビ番組を作る、テレビ界の常識からすれば無謀というしかない。しかし我々はあえてそれに挑む事にした。なぜならこの番組は、車のデザインに力を入れている日産自動車の提供だからに他ならない」というナレーションが流れ、番組のコンセプトとスポンサーである日産自動車のデザインに対する姿勢が強調されました。

番組終了間際には、谷原章介が「次回は（日産の車に関係するプロダクト）をデザインし直します」と発言すると、日産関係者から電話がかかり、「（デザインし直そうとしたプロダクト）を新しくデザインし直す必要はない？それはこの番組を提供している日産自動車の領域？ですよねー」というやり取りが恒例となり、番組のユーモラスな側面を彩りました。

2006年4月からは、谷原章介自身が演じる「シフト谷原」が日産車のデザインについて紹介するミニコーナーが放送されました。これは一種の生コマーシャルであり、番組の新たな展開となりました。

実際にデザインされた作品とその担当デザイナーについては、フジテレビ公式サイト内の番組公式ページや関連書籍で詳細が確認できます。

スタッフ

番組の企画は、放送作家の小山薫堂が担当し、構成は内田ぼちぼちと塩沢航が務めました。リサーチはフルタイムが担当し、清水悠香がニューデザイン紹介時のコンパニオンとして出演しました。演出は三木康一郎、沼尾純也、山田洋平、津坂健一、中原芳、加藤伸一が担当し、ナレーションは渡辺美佐が務めました。プロデューサーは大林里枝、制作はアミューズとフジテレビジョンが担当しました。

作品リスト

番組では、横断歩道、名刺、紙コップ、なると巻き、タクシーの行灯、マスク、地図、郵便ポスト、ポケットティッシュ、傘、蚊取線香、線香花火、将棋、マヨネーズの穴、ガムテープ、ボウリングのピン、うちわ、カレンダー、ベビーカー、救急車のサイレン、電話ボックス、学校の机、鯛焼き、歯ブラシ、吊り革、そろばん、ティーバッグ、ネクタイ、石鹸、時計など、多岐にわたるアイテムがリデザインされました。

2005年以降も、ゴミ箱、電話、カラーコーン、牛乳パック、コンセント、切符、爪楊枝、婚姻届、黒板、犬小屋、サインポール、鯉のぼり、ゴミ袋、印鑑、トイレットペーパー、鉛筆、ワインの栓、のれん、虫かご、ロウソク、七夕飾り、ダンボール、口紅、電報、のし袋、風鈴、ちょうちん、鳥かご、原稿用紙、宝くじ、はがき、月見団子、銭湯のペンキ絵、米袋、日記、切手、出生届、風呂敷、おみくじ、新聞、湯たんぽ、クリスマスオーナメントなど、バラエティ豊かな対象物がデザインされました。

最終的には、天気予想図、レジ袋、辞書、コック帽、折り紙、卒業証書、履歴書、ひな人形、年金手帳、金魚鉢、ランドセル、ハンガー、積み木、学校のチャイム、じょうろ、気泡シート、レジャーシート、トランプ、マッチ、ティッシュ箱、ウェディングブーケ、レインコート、ノート、けん玉、だるま、たまごパック、1円玉、蚊帳、金魚すくいのポイ、出入国スタンプ、アルバム、ゴールテープ、そして『道』をテーマにした3作品など、合計112もの作品がデザインされました。

展示会

番組関連の展示会も開催され、デザインされた作品が一般公開されました。

ラフェスタ「ニューデザインパラダイスカフェ」
開催期間：2004年12月11日 - 2005年1月3日
会場：フジテレビ7階屋上庭園
「THE PERMANENT COLLECTION OF NEW DESIGN PARADISE 〜21世紀をもっと豊かにするデザイン〜」presented by NISSAN
開催期間：2005年12月5日 - 12月20日
会場：日産本社ギャラリー・日産銀座ギャラリー
「THE PERMANENT COLLECTION OF NEW DESIGN PARADISE 2006」presented by NISSAN
開催期間：2006年9月1日 - 10月1日（銀座ギャラリーは9月16日から）
会場：日産本社ギャラリー・日産銀座ギャラリー

これらの展示会では、番組でデザインされた作品が展示されただけでなく、視聴者による人気投票も実施され、デザインへの関心を高めました。

外部リンク

ニューデザインパラダイス - フジテレビ
ニューデザインパラダイス - BSフジ
THE PERMANENT COLLECTION OF NEW DESIGN PARADISE 2006展 - 日産

『ニューデザインパラダイス』は、単なるバラエティ番組としてだけでなく、デザインの可能性を追求し、人々の生活を豊かにする視点を提供した、記憶に残る番組でした。

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