ニュートロンジャマー

ニュートロンジャマー（Nジャマー）

ニュートロンジャマー、通称Nジャマーは、テレビアニメ『機動戦士ガンダムSEED』に登場する架空の兵器であり、物語における重要な役割を果たしています。この装置は、地上や宇宙での戦闘において核兵器の使用を抑制する目的で設計されました。宇宙世紀のミノフスキー粒子の代わりに、誘導兵器や火器管制装置の機能を無効化することで、接近戦や格闘戦が主体となる戦闘スタイルを促進します。

背景と開発

Nジャマーは、プラント最高評議会議員であり物理学者のオーソン・ホワイトが開発しました。C.E.70年2月14日に発生した「血のバレンタイン」事件を受け、ザフトは地球軍の核ミサイルの脅威を認識し、これに対抗する手段としてNジャマーを実戦に投入しました。開発時期に関しては、様々な資料で異なる設定が存在しますが、NジャマーはC.E.60年代においてモビルスーツとの併用を前提に開発が進められました。実際に初投入されたのは、「血のバレンタイン」から8日後の2月22日に行われた「世界樹攻防戦」でした。

Nジャマーの効果

この装置が作り出すフィールドの影響下では、自由中性子の運動が阻害されることで、核分裂反応が起こらなくなります。これにより、核分裂兵器や核分裂エンジン、原子力発電所などは機能を失い、長距離通信も妨害されます。それにより、戦場は再び有視界の接近戦が主流となり、ザフト軍はこの環境を有効活用し、Nジャマーをほぼ全ての艦艇に搭載することとなりました。

Nジャマーのサイズは様々で、小型モデルから大きな衛星まで存在します。装置は地上に埋没することができ、堅牢性が高く、敵からの無力化が非常に困難です。その影響範囲は広大で、数基のNジャマーで地球全体を覆うことが可能です。このように、多くの数が打ち込まれたため、敵はその正確な数を特定することができませんでした。Nジャマーは、短期間ではありますが、戦争の主導権を揺るがす強力な武器となります。

エネルギー供給の変革

Nジャマーが地球上に展開されることで、地球圏のエネルギー供給が急速に転換しました。原子力から太陽光発電へとシフトし、エネルギー供給の形態が大きく変わることになりました。一方、Nジャマーの影響を受けた地球連合の国々は、旧来のエネルギー源としてガスタービンや石油を使用してさまざまな代替策を模索しました。

通信手段の変化

Nジャマーの電波妨害を受けたことで、地上や宇宙での通信は大きく変化しました。至近距離では通信が可能ですが、距離が離れると影響が顕著になります。そのため、モビルスーツにはECM（電子対抗装置）やECCM（電子対抗装置の抗弁）といった機能が追加されました。さらに、赤外線通信やレーザー通信といった代替手段も取り入れられています。

まとめ

Nジャマーは、『機動戦士ガンダムSEED』の世界設定において核兵器や原子力の使用を制限し、戦闘スタイルを変革する重要な役割を果たしました。これにより、戦場の状況が大きく変わり、近接戦闘の重要性が増しました。Nジャマーはまた、エネルギーの供給方法や通信手段にも影響を与え、戦争の進行や社会の変革に寄与したのです。

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