ニューポール

ニューポール（Nieuport）：フランスの航空歴史を築いたメーカー

ニューポールは、フランスに拠点を持つ著名な航空機製造会社であり、その存在は航空業界の発展に多大な影響を与えました。1902年にニューポール兄弟によって設立されたこの会社は、当初は自動車用電装品の製造を行っていましたが、次第に航空機部品の製作へとシフトしました。

設立と初期の歴史

設立当初は「ニューポール・デュプレ」という名称でスタートしましたが、1909年に名称を変更し、Société Générale d'Aéro-locomotionとして法人化します。この時期に製作された第2号機は非常に優れた性能を持っており、同年の後半に記録的な飛行に成功しました。これを契機に、ニューポールは本格的な航空機製作へと乗り出していきます。

1911年、飛行機製作に専念するためにNieuport et Deplanteへと改名し、さらに同年にはニューポール兄弟の一人エデュアールが不慮の事故により亡くなります。エデュアールの死後、航空の支援者であるアンリ・ドゥッシュ＝ド＝ラ＝ムルトが経営を引き継ぎ、資本を注入して会社名もSociété Anonyme des Établissements Nieuportに変更されました。

設計と戦争の影響

1912年には、同じくニューポール兄弟のシャルルも事故に見舞われ、会社は大きな打撃を受けました。主設計者としてフランツ・シュナイダーが迎えられましたが、状況は厳しく、彼は後にLVGに転職し、ニューポール機を不法に模倣した機体を製作する事態に至ります。また、アントニー・フォッカーとの間でプロペラ同期機銃の特許に関する長期間にわたる争いも発生しました。

シュナイダーが去った後、ギュスターヴ・ドラージュが新たに主任設計者に就任します。彼はニューポールの設計を革新し、特に下翼が上翼より小さいレーサーを開発しました。この新機体は、第一次世界大戦が勃発するとフランス陸軍に売り込まれ、イギリス海軍航空隊からも高い評価を得て、ニューポール10が多くの軍に採用される結果となりました。

ニューポールの戦闘機と戦後の活動

第一次世界大戦中、ニューポールは数種類の戦闘機を開発しました。特に「ニューポール一葉半戦闘機」と呼ばれるシリーズは、ニューポール11や17、といったさまざまな機体が作られ、S.P.A.D. XIIIにその主力の座を奪われるまで幅広く使用され続けました。

戦争が終わると、ニューポールは改良型のニューポール29や31などを製造し、スピードや高度の記録を樹立しました。1921年には飛行船製造会社のアストラ社を吸収合併し、ニューポール・アストラとなりましたが、その後すぐにニューポール・ドラージュへと改名されました。

結末とその後の歴史

1932年のフランス航空界の再編に伴い、ギュスターヴ・ドラージュが引退すると、社名は再びニューポールに戻ります。しかし、1935年にはロワールと合併しロワール・ニューポールとなり、最終的には1936年の航空機メーカーの国営化計画に伴ってSNCAOに統合され、このメーカーとしての歴史は幕を閉じることになりました。

関連項目

ニューポールの技術力は他国でも評価されており、中島飛行機がその機体、特に24 C.1と29 C.1のライセンス生産を行った事例がその一つです。ニューポールは、その革新と多様な航空機開発を通じて、航空史の重要な一頁を飾った企業であり続けています。

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