ニューポール 12

ニューポール 12

ニューポール 12は、フランスの複葉偵察機、戦闘機、練習機であり、第一次世界大戦中に様々な国で使用された重要な航空機です。この機体は後期の生産型は主に練習機として製造され、1920年代末まで多くの航空部隊で利用されました。

設計と開発

ニューポール 12は、先代のニューポール 10の性能を向上させるために設計された機体です。特に、上翼の面積を拡大し、新たなエンジンを搭載することで飛行性能を改善しました。また、後部座席には偵察員のためにルイス機銃を装備し、イギリス陸軍航空隊では独自の改良も行われました。これにより、より効率的な偵察作戦や戦闘が可能となりました。

エンジンの選択肢としては、クレルジェ（100 hp）、クレルジェ 9B（130 hp）、ル・ローヌ 9J（110 hp）のいずれかを搭載することができ、多様な飛行条件に対応可能でした。

派生型

ニューポール 12には多くの派生型が存在します。例えば、ニューポール 12 A.2は複座の戦闘機兼偵察機で、クレルジェ 9Zまたはル・ローヌ 9Jエンジンを搭載しました。さらに、ニューポール 12bis C.2は流線型デザインを取り入れた改良型であり、エンジン搭載位置も改変更されています。

他にも、試作機のニューポール 13や、イギリス陸軍航空隊に納入されたニューポール 20などがあり、それぞれの特徴に応じて仕様が異なりました。また、ニューポール 80 E.2や81 E.2は練習機専用に設計され、多数生産されました。これらの機体は、いずれも航空教育に貢献しました。

運用者

ニューポール 12は、フランス軍以外にも多くの国で運用されました。アメリカ、ロシア、イギリス、さらには日本やポーランドなど、計11カ国がこの機体を使用しました。特に日本では、大日本帝国陸軍航空部隊が40機をフランスから供給され、さらに57機をライセンス生産しました。これにより、日本の航空技術の発展にも寄与したとされています。

現存機

現在、ニューポール 12の現存機は限られていますが、カナダ航空宇宙博物館にてオリジナルの修復を受けた機体が展示されています。さらに、埼玉県の所沢航空発祥記念館には、ニューポール 81 E.2の一部が展示されており、当時の航空技術の一端を知ることができます。

性能諸元

• - 乗員: 2名（パイロットおよび偵察員/銃手）
• - 全長: 7.10 m
• - 全高: 2.70 m
• - 翼幅: 9.00 m
• - 翼面積: 22.00 m²
• - 空虚重量: 550 kg
• - 有効搭載量: 825 kg
• - 動力: クレルジェ 9Zエンジン（110 hp）

• - 最大速度: 146 km/h (高度2000m)
• - 航続距離: 500 km
• - 実用上昇限度: 4000 m
• - 上昇率: 2000mまで14分15秒
• - 武装: 1×ルイス機関銃（後席用）、時には上翼にもう1挺装備可能

関連項目

本機についてのさらなる情報は、他の関連航空機や戦闘機一覧を参考にしてください。ニューポール 10や第一次世界大戦中の航空機に関心がある方にも広く読まれているトピックです。

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