ニューヨーク・ポスト

ニューヨーク・ポストの概要

ニューヨーク・ポスト（New York Post）は、ニューヨーク市に拠点を置くアメリカの保守系日刊タブロイド新聞です。1801年11月16日に創刊されたこの新聞は、現在も運営され続けており、米国の新聞として最も古くから発行されていると主張しています。特に、電子版のNYPost.comやセレブリティゴシップを扱うPageSix.com、エンターテインメント情報を掲載するDecider.comなど、デジタルメディアでも積極的に展開しています。

歴史

ニューヨーク・ポストは、創業者アレクサンダー・ハミルトンによって設立され、新聞としての歴史を歩んできました。設立当初は「ニューヨーク・イブニング・ポスト」として知られ、1829年に日刊紙として正式に発行が始まりました。ただし、過去のストライキによって一時的な発行中止もあり、場合によっては他の新聞が米国で最も古い日刊紙とされることもありますが、ニューヨーク・ポストはその歴史的背景をもとに自己主張を続けています。

所有と経営の変遷

1976年からはルパート・マードック率いるニューズ・コープが所有しています。マードックは、ロンドンの『ザ・サン』で成功を収めた後、ニューヨーク・ポストでもセンセーショナルな報道スタイルを導入し、その影響力を拡大しました。1988年には規制の影響で不動産王のピーター・S・カリコウに売却され、その後しばらく経営が低迷しましたが、1993年にマードックが再び買収し以来、保守的な編集方針を保ち続けています。

編集方針

ニューヨーク・ポストは、その編集ポリシーとしてリベラル系メディアからの情報を基にした記事作成を禁止しています。この方針は、他のメディアとの差別化を図る一環とされています。特にセンセーショナルな見出しや内容で知られ、多くの読者を惹きつけています。

問題と批判

新聞の報道スタイルは度々物議を醸してきました。2004年には、当時の民主党の候補者であるジョン・ケリーに関する誤報を掲載し、他にも人種差別的な解釈を招いた風刺画を掲載するなど、様々な批判を受けてきました。また、2020年には、SARSコロナウイルス2の起源について根拠のない主張を行い、専門家から厳しい批判を浴びました。

現在の状況

発行部数はかつての70万部には及ばないものの、今なおニューヨークのメディアシーンにおいて重要な位置を占めています。読者の嗜好に応じたニュースやエンターテインメント情報を提供し続けており、その存在感は決して無視できません。日々多様な情報を発信するニューヨーク・ポストは、今後もアメリカのメディア界において注目される存在であり続けるでしょう。

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