ニューヨーク市庁舎

ニューヨーク市庁舎の概要

ニューヨーク市庁舎は、ロウアー・マンハッタンのシヴィック・センター内に位置し、ブロードウェイ、パーク・ロウとチェンバーズ・ストリートの間にあります。この建物は1810年から1812年にかけて建設され、アメリカで現役が最も長い市庁舎として保存されています。建物はアメリカの国定歴史建造物に指定されており、外装は1966年、内装は1976年にそれぞれニューヨーク市歴史建造物に認定されています。

市庁舎の内部には、ニューヨーク市長の執務室や市議会室があり、多くの公的機能が果たされています。また、関連する13の機関は別館のマンハッタン市営ビルに収容されています。この市庁舎は、政府庁舎として世界的にも有名な規模を誇ります。

歴史

ニューヨークの最初の市庁舎は17世紀にオランダ人によって建設され、その後1700年に2番目の市庁舎がウォール街とナッソー・ストリートの交差点に建てられました。アメリカ独立戦争後、ニューヨークが最初の首都となった際には、この建物はフェデラル・ホールと改名されました。新たな市庁舎の建設計画は1776年に市議会で議論されましたが、財政難によって進行が遅れました。最終的には、現在のシティ・ホール・パークの地に建設されることが決まりました。

1802年に市は新市庁舎用の設計競技を開催し、ジョセフ・フランソワ・マンギンとジョン・マッコム・ジュニアが1等賞を受賞しました。設計には多くの浪費が問題視され、市議会の反対もありましたが、コスト削減策が取られました。

市庁舎は1811年に完成し、翌年に公式オープンを迎えました。その歴史の中で、エイブラハム・リンカーンやユリシーズ・グラントの棺がこの場に安置されるなど、数々の重要な出来事がありました。また、19世紀の多くの歴史的記録やアート作品が収蔵されています。

建築の特徴

市庁舎の設計はフランス・ルネサンス様式とアメリカン・ジョージアン建築が組み合わされています。建物は中央のパビリオンと二つのウイングから成り立ち、印象的な円柱のポーチが特徴です。また、内部には大理石の壮大な階段があり、装飾にはコリント式の円柱が用いられています。

建物内部では歴史的な行事や市の政治に関するデモも行われるなど、アクティブな場であり続けています。市庁舎の周囲はシヴィック・センターと称され、近隣にはセント・ポール教会やツイード裁判所、ウールワースビルが位置しています。

機能と公共利用

市庁舎は公式な行事や重要な記者会見の場としても利用されており、さまざまな歴史的人物が訪れることで知られています。特にブルー・ルームでは市長が多くの公式記者会見を開催しています。また、訪問者は市庁舎内部の見学が可能で、観光客向けのプログラムも提供されています。

ソ連時代の冷戦の影響が残る中、建物のセキュリティも強化されており、特定の人々や観光客のみに入館が許可される仕組みが確立されています。

文化的影響

ニューヨーク市庁舎は映画やテレビでもたびたび登場し、その独特の存在感を示しています。例えば、『スピン・シティ』や『ゴーストバスターズ』などの作品で市庁舎が舞台として使用されています。

市庁舎は、ニューヨーク市を代表する歴史的建物の一つとして、今もなお多くの市民や観光客に親しまれています。

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