ニュー・バウハウス

ニュー・バウハウスの歴史と影響

ニュー・バウハウスは、1937年にモホリ＝ナジ・ラースローがアメリカのシカゴに設立したデザイン学校です。元々はドイツのバウハウスから派生したもので、シカゴ芸術産業協会の依頼によって渡米したラースローが開校しました。この学校の目的は、バウハウスの理念を基にした革新的なデザイン教育を展開することでした。

設立と閉校

設立の翌年である1938年、財政的な支援を失ったニュー・バウハウスは一時的に閉校してしまいます。しかし、希望を失わず、1939年には「School of Design Chicago（シカゴ・デザイン学校）」という名称で再開し、さらに1944年には「The Institute of Design（シカゴ・デザイン研究所）」に発展しました。この名前で呼ばれることが多く、デザイン教育の中心地としての地位を確立しました。

イリノイ工科大学への吸収

1949年になると、The Institute of Designはイリノイ工科大学に統合され、その一部として今日まで存続しています。この移行により、ニュー・バウハウスの教育理念はより広範なリソースによって支えられることとなり、大学全体の教育に寄与する形で進化していきました。

教育内容と主な関係者

ニュー・バウハウスでは、デザインや写真に関する基礎教育が行われ、特に写真分野での成果は格別のものです。初期にはモホリ＝ナジの前衛的な写真スタイルを取り入れつつ、徐々にさまざまなスタイルへと展開していきました。ここで教鞭をとった著名な写真家には、ジョージ・ケペッシュ、アーサー・シーゲル、ネイサン・ラーナー、ハリー・キャラハン、アーロン・シスキンドなどがいます。彼らは学生に対して高度な技術と独自の視点を提供し、デザイン界における新たな潮流を創出しました。

日本の影響

日本人の中でニュー・バウハウスで学んだ著名人には、石元泰博がいます。彼は、この学校で学んだ後、日本に帰国し、国内外で活躍する写真家として知られるようになります。

現在に至るまでの影響

今日においてもニュー・バウハウスは、デザインにおける重要な教育機関として位置付けられており、世界中のデザイン教育に影響を与え続けています。特にその理念は、良いデザインが持つべき社会的な意義や美的価値を強調しており、現代のデザイナーやアーティストたちにとっても、学びの源として参照されています。

参考文献

1. 『アサヒカメラ1967年8月号』朝日新聞社
2. Taken by Design: Photographs from the Institute of Design, 1937-1971／David Travis, Elizabeth Siegel, Keith F. Davis, Art Institute of Chicago／University of Chicago Press／ISBN: 0-226-81167-0／2002

外部リンク

• - 上野継義「モホリ＝ナジとニュー・[バウハウス]]」『アサヒカメラ』 1991年の号
• - [Institute of Design (ID)

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