ニンテンドーゲームキューブコントローラ

ニンテンドーゲームキューブコントローラは、2001年に任天堂が発売した家庭用ゲーム機「ニンテンドーゲームキューブ」に付属するコントローラーです。型番はDOL-003で、単体でも販売されました。

デザインの特徴

ニンテンドー64のコントローラのセンターグリップを廃止し、左右にグリップを持つ一般的な形状になりました。Cボタンユニットが2つ目のアナログスティックに置き換えられ、スーパーファミコンにあったX・Yボタンが再採用されるなど、操作性が向上しました。アナログトリガーにはデジタルクリック機能が追加され、より細かい操作が可能になりました。

感圧式トリガーや独特のボタン配置など、他のコントローラーにはあまり見られない特徴的なデザインですが、左右非対称のアナログスティックを除き、その後のグリップ付きコントローラーに大きな影響を与えることはありませんでした。

概要

ニンテンドーゲームキューブコントローラは、左右にグリップを備えたデザインで、2mのケーブルで本体に接続します。ニンテンドー64のコントローラとは異なり、拡張コネクタは廃止され、振動モーターが内蔵されました。

コントローラには、6つのデジタルボタン、2つのアナログスティック、十字ボタン、デジタルクリック付きのアナログトリガーが搭載されています。左側にアナログスティック、その下に十字ボタン、右側に4つのフェイスボタン（A、B、X、Y）とCスティック、中央にStart/Pauseボタンが配置されています。前面にはL/RトリガーとZボタンがあります。

開発

ニンテンドー64のコントローラーは、3Dゲームの普及に伴い、アナログスティックによる操作が評価された一方で、サイズやレイアウトが批判されました。宮本茂氏は、次世代ゲーム機（ニンテンドーゲームキューブ）のコントローラーを、年齢や手の大きさに関わらず使いやすいものにすることを目標に、3年もの開発期間をかけました。

開発過程では、毎月のようにアイデアが更新され、少なくとも4〜5種類の試作品が作られました。宮本氏の最初の仕事は、スーパーファミコンのコントローラーのデザインを基に、4つのフェイスボタンの配置を再設計することでした。Aボタンを大きくし、他のボタンを囲むように配置することで、主要な操作ボタンであることを強調しました。

ハードウェアデザイナーの芦田健一郎氏は、コントローラーがプレイヤーにとって直感的で、持っていることを忘れるほど自然になるように設計したと語っています。しかし、それを達成しつつ、多くの機能を盛り込むことは困難な作業でした。十字ボタンについても議論がありましたが、最終的にアナログスティックの右下に配置されました。

発売とカラーバリエーション

ニンテンドーゲームキューブコントローラは、2001年9月14日に日本で、11月18日に北米で、翌年5月3日にヨーロッパで、5月17日にオーストラリアで発売されました。本体と同色のバイオレット、オレンジ、ブラック、シルバーなどのカラーバリエーションがありました。また、単品販売では、バイオレット＆クリア、エメラルドブルー、ピンク、ホワイトなどのカラーも登場しました。さらに、パナソニックが販売したDVD/ゲーム機「Q」には、パナソニックのロゴ入りグレーのコントローラーが付属しました。

限定版

ニンテンドーゲームキューブには、スターライトゴールド、クリスタルホワイト、シンフォニックグリーンなどの限定カラーの本体が販売され、同色のコントローラーが同梱されました。日本では、阪神タイガースのロゴ入りブラック、シャア専用カラー、クリアなどの限定版も登場しました。欧州では、パールホワイト、バイオハザード4のロゴ入りプラチナなどが販売されました。

クラブニンテンドーでは、マリオ、ルイージ、ワリオのデザインのコントローラーが景品として提供されました。

再発売

コントローラーは消耗品であるため、本体の販売終了後も需要がありました。特に「大乱闘スマッシュブラザーズDX」の愛好者からの支持が高く、Wii向け続編「大乱闘スマッシュブラザーズX」でゲームキューブコントローラーが推奨されると、流通在庫が枯渇しました。このため、任天堂はゲームキューブコントローラーを再発売しました。その後も、大乱闘スマッシュブラザーズシリーズの新作発売に合わせて再発売されています。

再発売モデルでは、ケーブルが2mから3mに延長され、トリガーなどの内部機構にも変更が加えられています。

その他のモデル

- プラチナカラーのコントローラは、米国で2012年初頭まで販売されていました。
- 2008年4月には、Wiiと同色の白色コントローラが発売されました（日本国外では未販売）。
- 2014年には、「大乱闘スマッシュブラザーズ for Wii U」のロゴ入りブラックコントローラとホワイトコントローラが発売されました。
- Nintendo Switch向けには、「大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL」のロゴ入りブラックコントローラが発売されました。

ワイヤレスコントローラ

- ウェーブバード: 無線接続のコントローラで、振動機能は省かれています。グレーとシルバーの2色があります。

その他周辺機器

- ロッジネットコントローラ：ホテル向けの特別なコントローラで、通常のゲームキューブとの互換性はありません。
- ホリパッドキューブ：HORIが製造したコントローラで、ボタン配置やサイズが異なります。
- ジョイパッドキューブミニ：JESNETヤマグチが製造した小型コントローラで、連射機能付きです。
- キーボードコントローラ：アスキーとサミーが製造したキーボード付きコントローラで、「ファンタシースターオンライン」に対応しています。

後継機との互換性

Wiiはゲームキューブとの後方互換性があり、ゲームキューブコントローラを使用できました。Wii Uでは、接続タップを使用することでゲームキューブコントローラを使用可能でしたが、公式には「大乱闘スマッシュブラザーズ for Wii U」のみの対応でした。Nintendo Switchでは、接続タップと「大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL」で使用可能です。また「スーパーマリオ 3Dコレクション」の「スーパーマリオサンシャイン」でも一部対応しています。

その他

このコントローラは、長年にわたり多くのユーザーに愛され続けています。その独特なデザインと操作感は、今でも多くのファンを魅了しています。

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